[2021_07_02_08]泊原発3号機の敷地内断層、規制委「活断層ではない」 北海道電力の態勢不備で審査8年と長期化(東京新聞2021年7月2日)
 
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泊原発3号機の敷地内断層、規制委「活断層ではない」 北海道電力の態勢不備で審査8年と長期化

 原子力規制委員会は2日、北海道電力泊原発3号機(泊村)の再稼働に向けた審査会合で、敷地内の断層が地震を引き起こす活断層である可能性は低いと判断した。審査は北海道電が示すデータが不十分のため断層の議論が振り出しに戻って長期化し、審査中の原発では最も時間がかかっている。8年にわたる審査はようやく次の段階へ進む。(小野沢健太)
 会合で北海道電は、敷地内断層について掘削などで得た地層データを示し、活断層と判断する目安となる「約12万〜13万年前以降に活動した形跡がない」と説明した。規制委の石渡明委員は「おおむね妥当な検討がなされた」と主張を認めた。
 今後は地震の大きさや津波の高さを想定し、防護策の妥当性の審査に移る。事故対策の議論はほぼ終わっており、審査が一気に前進する可能性が出てきた。

◆態勢不備で長期化 同時期申請の7基は再稼働済み

 泊1〜3号機は、原発の新規制基準が施行された2013年7月8日に電力各社が審査申請した原発の一つ。同じ日に申請した関西電力大飯3、4号機(福井県)、高浜3、4号機(同)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九州電力川内1、2号機(鹿児島県)の7基はいずれも再稼働している。
 泊3号機を巡っては、審査が進んでいた17年11月、北海道電が敷地内断層が活断層ではないとする根拠にした火山灰層が、建屋の建設などでなくなっていたと明かし、一転やり直しとなった。説明に必要な新たなデータ収集も難航し、19年2月には、規制委が「活断層の可能性を否定できない」とデータの提示を迫った。
 北海道電が審査対応を外部機関に全面的に頼り続けたことも、審査を長引かせた。20年12月には更田豊志規制委員長が藤井裕社長に「地質の専門家を自社で育成しないと、速やかな判断ができない」と態勢見直しを求めていた。
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