[2018_03_01_04]<福島第1原発>凍土壁で汚染水発生が半減 東電、効果試算(毎日新聞2018年3月1日)
 
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<福島第1原発>凍土壁で汚染水発生が半減 東電、効果試算

 東京電力福島第1原発で土壌を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」について、東電は1日、凍土壁によって汚染水発生量が1日95トン減っているとの試算を公表した。凍土壁単独の効果の試算は初めて。
 凍土壁は、1〜4号機を囲むように約1500本の管を地下30メートルまで打ち込み、氷点下30度の液体を循環させて凍土の壁(全長約1.5キロ)を造る。原子炉建屋に地下水が流れ込むのを防ぎ、汚染水の発生を抑制する。建設には国費345億円が投じられた。
 東電は地下水の流れをコンピューターで計算。凍土壁がない場合に比べ、ある場合は汚染水発生量が1日95トン抑えられ、ほぼ半減しているとの結果になった。
 一方、東電によると、実際の汚染水発生量は、凍土壁がほぼ完成した2017年冬には凍結開始前の15年冬より1日約380トン減った。第1原発では上流側で地下水をくみ上げて海に流したり、建屋周辺の井戸(サブドレン)から地下水をくみ上げたりする対策も取っており、これらの効果に比べ、凍土壁の効果は限定的だとみられる。
 東電は「凍土壁単独でも汚染水低減の効果があるとはっきりした」と説明した。今後、政府の有識者会議で今回の試算の妥当性を議論する。【鈴木理之】

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