【記事17450】女川原発 基準地震動見直さず「耐震安全性は十分」(北から南ナビ2005年11月26日)
 
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女川原発 基準地震動見直さず「耐震安全性は十分」
2005年11月26日

 東北電力は25日、8.16宮城地震の発生時、女川原発(宮城県女川町、石巻市)で設計用に想定した理論上の最大地震を上回る揺れの強さが確認された問題で、要因の分析と耐震安全性の詳細評価の結果をまとめた。要因では、周期の短い揺れが強い地域特性によると分析。最新の研究成果も踏まえて基準地震動より大きいマグニチュード(M)8.2の「安全確認地震動」を設定し、2号機の安全上重要な建屋や機器にかかる力を解析し、「耐震安全性が十分確保されている」と結論づけた。

 報告を受け、原子力安全・保安院は、専門家の意見を聞いて妥当性を検討する方針。宮城県などは国による評価を見守る姿勢を示しており、国の判断が注目される。
 東北電力は「基準地震動の見直しや耐震補強の工事は必要ない」としており、今後1、3号の安全性の評価も行う。

 東北電力によると、今回の地震や過去の中小規模の地震の観測記録を分析し、宮城県沖近海で発生するプレート境界地震は、周期が短い揺れが強い傾向が確認された。当時はこうした特性は明確でなく、設計用の想定に反映されていなかった。
 今回の検討では、政府の地震調査研究推進本部のモデルも使い、近い将来発生が予想される宮城県沖地震や、短周期の成分が強い限界的な安全確認地震動(最大加速度580ガル)を想定した。

 設計用限界地震動による基準地震動(S2)を205ガル上回る安全確認地震動で評価した結果、原子炉格納容器などに加わる力は、安全機能が維持できなくなるほど機器が変形する「許容値」の8割程度に収まっていたという。
 東北電力はまた、 2003年5月の三陸南地震の発生時、女川原発で確認された加速度が一部周期でS1を上回っていた ことも明らかにした。

[女川原発の停止問題]女川原発は、宮城県沖を震源とするマグニチュード7.2の 8.16宮城地震で 一定以上の揺れの強さを観測、自動停止した。東北電力が地中の地震計データを基に解析した結果、地下岩盤の最大加速度が284ガルとなり、将来起こりうる最大の地震として設計用に想定した「最強地震」による基準地震動S1(最大加速度250ガル)を上回った。岩盤表面の揺れの強さを周期ごとに表した応答スペクトルでは、 0.05秒付近の周期で、現実的でないとされる「限界地震」によるS2も超えていた。 原子力安全・保安院が詳細な解析や要因分析などを指示した。

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