伊豆半島がくっついたのはわずか数十万年前(講演資料#34/84)
 
【島村】伊豆半島というのは実は、非常に新しくて、わずか数10万年前にくっついたのが分っています。伊豆半島は最後にくっついた火山島ですから、東海道線は元々、国府津からここ(指示棒の先端)を通って沼津を通って大阪に行くという線路でした。ここは火山島である伊豆半島と日本列島の平らな海岸線がぶつかった所です。今は、御殿場線として残っています。そういった意味でここは非常に通りやすい所です。
 丹那トンネルは後から出来ました。これは吉村昭さんのデビュー作の『闇を裂く道』の図です。丹那トンネルを抜けることによって、東京大阪間が短くなった。丹沢がありますが、これは火山島がぶつかった時に出来たシワなんです。
【補足】
Amazonの吉村昭『闇を裂く道』(文藝春秋; 新装版 (2016/2/10))の「内容」の一部抜粋を以下に示す。
「大正七年着工、予想外の障害に阻まれて完成まで十六年を要し、世紀の難工事といわれた丹那トンネル。人間と土の熱く長い闘いを描く。熱海―三島間を短時間で結ぶ画期的な新路線・丹那トンネルは大正7年に着工されたが、完成までに16年もの歳月を要した。けわしい断層地帯を横切るために、土塊の崩落、凄まじい湧水に阻まれ、多くの人命を失うという当初の予想をはるかに上回る難工事になった。」