[1973_03_25_02]恐ろしい開発やめよ 新全総反対全国代表者会議 六ヶ所村で開く(東奥日報1973年3月25日)
 
 巨大開発に反対する第三回新全総反対全国代表者会議が24日むつ小川原関発の現地、上北郡六ヶ所村の公民館で開かれた。新全総がもたらした開発の被害を告発し、本県で計画されている、むつ小川原関発を阻止しようと開かれた代表者会議には、全国各地の労働者代表や地元六ケ所村の関発反対派住民ら約250人が出席、各地の代表が開発の問題点を堤起するとともに六ヶ所村民と討論を行ない、むつ小川原開発阻止の立場を確認した。きょう25日は六ヶ所村第一中学校で社会党の成田委員長らも参加し、むつ小川原巨大開発反対全国労農漁民大集会が開かれる。
 開発をめぐる賛否両論が激しく対立する中で開かれた代表者会議には、北海道から鹿児島まで労組員を中心にした新全総反対全国連絡会議のメンバーや社会、共産、公明の各政党代表者らのほか、地元六ヶ所村の開発反対同盟の人たち約200人が詰めかけ、会場となった泊公民館は250人の参加者でふくれ上がった。
 午前中、開発区域を視察した一行は午後二時から開かれた代表者会議に臨んだが、あいさつに立った木立県労議長は「美しい豊かな大自然を破壊させない、公害の出る企業を誘致させない、住民無視の関発をさせない−の三点から巨大関発に反対している」ことを強調、「いかなる弾圧にも負けず戦い抜く」と決意を表明した。
 また地元代表として出席した吉田又次郎むつ小川原関発反対同盟会長は「むつ小川原開発は農民から土地を奪い、漁民から漁場を奪い、自然を破壊するものだ。むつ小川原開発を白紙撤回させ村民を村に残してほしい」と訴えると、寺下力三郎村長は「村内でトラブルが続いていることについては村民に申しわけないと思っているが、村民には開発の真の恐ろしさがわかっていない人もいる。各地の開発の実態を村民に伝えてほしい」とあいさつした。
 その後、鹿島(茨城県)四日市(三重県)志布志(鹿児島県)の各代表がそれぞれの開発の実態を報告、茨城県代表が鹿島開発について「農工両全をうたいながら農家に代替地はない。計画の四割が操業を開始した段階で公害が発生している。鹿島の二の舞いを演じてはいけない」と訴えると、反対派村民で埋まった会議場は拍手の渦に包まれた。代表者会議はこの後、地元六ケ所村民と意見交換をし、むつ小川原開発反対、寺下村長支援を再確認し、午後五時過ぎ散会した。夜は全国の代表が五班に分かれ、泊、戸館、平沼、倉内、新納屋の五部落で村民との対話集会を開いた。

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