[1995_02_04_03]耐震設計見直し訴え 原子力資料情報室 「阪神」級は想定せず 核燃施設 施設内の検証「不必要」と国 核燃行政訴訟(読売新聞1995年2月4日)
 
 「原子力資料情報室」(東京都)の高木仁三郎代表は三日、三沢市内で会見し、六ヶ所村の核燃施設の耐震設計について、「再処理工場など重要な施設でも、設計強度は一般の地震の加速度の3倍(600ガル)程度の地震しか想定しておらず、阪神大震災(700-800ガル)のような地震にはとても対応できない」などと述べ、同施設の耐震設計を全面的に見直す必要性を訴えた。
 また、高木代表は、六ヶ所村が誘致に意欲を見せている国際熱核融合実験炉(ITER)の安全性についても、「核融合炉の炉壁が強く放射化するため実験炉の寿命は短く、トリチウムや廃炉を含め大量の放射性廃棄物が出ることには変わりがない」などと話した。

 施設内の検証
 「不必要」と国
    核燃行政訴訟

 「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」が国を相手取り、六ヶ所村の核燃料サイクル四施設の事業許可(再処理工場は事業指定)の取り消しを求めた行政訴訟の口頭弁論が三日、青森地裁(片野悟好裁判長)で開かれた。
 4月に高レベル放射性廃棄物の搬入が予定される貯蔵施設内の検証を求めていた原告側は、廃棄物の収納管など十三地点の検証目的物を明らかにしたが、被告の国側は[1]争点が整理されていない[2]一部の施設は立ち入り不可能ーーとして「現時点で検証は必要ない」と主張した。
 これに対し、原告側は「使用前検査が行われた施設内で立ち入り禁止措置はおかしい」として事実関係の確認を求めた。
 また、原告側は三陸はるか沖地震、阪神大震災に関連して同村周辺の活断層の存在を指摘し「核燃施設の耐震設計が厳しく検証されなくてはならない」と主張する準備書面を提出した。
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