[2009_11_03_01]大間原発・活断層問題 指摘否定の証拠得られず 電発「安全評価 影響ない」(東奥日報2009年11月3日)
 
 広島工業大の中田高教授(変動地形学)らが「大間原発付近の海底に活断層が存在する可能性がある」と指摘している問題で、電源開発は2日、2008年に陸上で実施した現地確認調査の結果について、中田氏の主張を否定できる地形形成年代のデータが得られなかったことを明らかにした。ただ、電源開発は「これまでの海底音波探査などで活断層は見つかっておらず、耐震安全性評価に影響はない」と強調している。

 電発は、中田氏が活断層の証拠とする地形のうち、海岸付近の地盤の隆起などで形成される地形「離水ベンチ・ノッチ」を調査した。大間町と風間浦村を中心に約20キロ四方程度の地域に、同地形が階段状に分布し、最大で3段重なっていた。1段当たりの高さは2〜3メートルだった。しかし、同地形の形成年代を示す有効なデータは得られなかったという。
 同地形について、中田氏が「急激な地盤隆起がなければできない」と主張するのに対し、電発は「緩やかな地盤隆起や海水面低下でも形成可能」と反論していた。電発は、地形の形成年代が自説を証明する証拠になるとみていたが、年代特定には至らなかった。
 電発は「(地形の)分布は当社のこれまでの評価と矛盾しない」とし、当面は同地形の形成に関する調査は行わないものの、今後、新方式の海上音波探査などを行い、海底に活断層がないことをあらためて確認するという。
 国の安全審査手引の検討委員会に所属する中田氏は、同手引が「活断層が見つからなくても、断層活動の存在を否定できなければ適切に活断層を想定する」ことを求めている点を挙げ、「手引に沿った・対応をしていない。特定の地形ができるからには、それに見合った原因があるのだから、国や原子力安全委員会は再度調査するベきだ」と話している。
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