【記事33120】優先審査、川内前進 原子力規制委 [鹿児島県](西日本新聞2014年3月6日)
 

優先審査、川内前進 原子力規制委 [鹿児島県]

 九州電力は5日、原子力規制委員会の安全審査で、川内原発1、2号機鹿児島県薩摩川内市の最大規模の地震の揺れ基準地震動を従来の585ガルから620ガルに引き上げる方針を示した。規制委はおおむね妥当と評価し、安全審査で最大の焦点である基準地震動の検討は大きなヤマ場を超えた。川内原発は、規制委が今月中に絞り込む優先審査対象に近づいた。
 九電は昨年12月、北海道北部で2004年に起きたマグニチュードM5・7の地震が原発敷地直下で発生したと想定して基準地震動を再評価し、申請時の540ガルを585ガルに修正。今回、同じ地震の揺れのデータを独自分析し、「余裕をみて」九電、さらに620ガルに引き上げた。
 基準地震動が上がれば機器の耐震設計も変更する必要があり、九電は並行して作業を進めている。ただ、九電幹部は機器の設計に「大きな影響は受けないだろう」としている。 九電の方針に対し、規制委側からは数値の詳細な説明を求められた程度で、大きな指摘はなかった。川内原発は2月に規制委から示された地震津波の課題七つのうち、最大懸案の基準地震動を含む三つをほぼクリアした格好。残る火砕流や敷地内断層の評価などの検討を進める。
 この日は玄海原発佐賀県玄海町の基準地震動も同様に620ガルに引き上げる方針を説明。しかし、一部の地震を検討対象から除外した根拠の説明がなく、課題が残った。 また、九電と同様に審査が比較的進んでいる関西電力大飯原発3、4号機福井県の基準地震動の妥当性も検討されたが、計算手法や解釈の仕方などが不適切とされ、大幅な見直しを求められた。規制委は次回会合を12日に開く予定。

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