【記事46340】東海第2原発 原子力規制委「審査中盤」 現地調査実施(毎日新聞2016年8月24日)
 
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東海第2原発 原子力規制委「審査中盤」 現地調査実施

 原子力規制委員会は23日、新規制基準に基づく安全審査の一環として、日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の現地調査を行った。14年5月の審査申請後、規制委による現地調査は初めて。
 現地調査は、規制委の更田豊志委員長代理や規制庁職員らの計11人の調査団で行われた。安全審査で議論となっている、非難燃性ケーブルの防火対策や、津波による電源喪失に備えた非常用電源車の配備状況のほか、炉心溶融を想定した原子炉格納容器の安全性などについて調査した。
非難燃性ケーブルの防火対策を巡っては、当初、防火剤をケーブルに塗るとしていた対策を、まとめて防火シートを巻きつける方法に変更した。
 すでに審査に合格した高浜1、2号機の事例を参考にしたものだが、調査後、更田委員長代理は「防火シートを前提とするのは違う。取り換えが基本」と述べ、原電側も今後、議論していくとした。
 また、津波対策の高さ20メートルの防潮堤の建設予定地も視察。今月19日の審査会合で基準津波は17.1メートルと認定されたが、更田委員長代理は「防潮堤では限界がある。なお越えてくる津波対策が重要になる」と指摘した。
 東海第2の安全審査を巡っては、申請の早かった4原発の審査が先行し、特に柏崎刈羽6、7号機(新潟県)について、審査のひな型を作るため、集中審議していたため事実上審査が止まっていた。だが、今年2月に4原発との並行審査が決まったことで審査が動き出し、今年度はすでに10回の審査会合が開かれている。
 更田委員長代理は、調査に先立つミーティングで原電職員を前に「審査は中盤と言っていい」と述べており、調査終了後には「先行する原発に比べ、審査に差がある状況ではなくなってきた」との認識を示した。ただ、今後は審査中の沸騰水型5原発の中から、集中審査する原発を選択せざるを得ず、今秋か冬ごろには優先審査する原発を決定する方針も示した。【山下智恵】

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