[2020_04_22_09]南相馬到達...津波高さ19メートル 日本海溝・千島海溝地震想定(福島民友新聞2020年4月22日)
 
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南相馬到達...津波高さ19メートル 日本海溝・千島海溝地震想定

 東北から北海道の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝沿いを震源とした地震の想定を21日、内閣府の有識者会議が公表した。最大規模はマグニチュード(M)9クラスとなり、本県などの太平洋沿岸の広範囲に津波が到達。本県には5〜10メートルを超える高さの津波が押し寄せ、高い所で20メートル近くになるとした。有識者会議は地震発生を「切迫した状況」と指摘している。
 本県など6道県(岩手県を除く)の浸水図も示した。本県では海に面した浜通りの10市町ごとに浸水図をまとめ、東京電力福島第1原発(大熊町、双葉町)の付近が浸水域に入った。市町別では、津波の高さは南相馬市の19メートルが最も高かった。双葉町の第1原発北側が13.7メートルで大熊町が14.1メートル。浸水域に含まれた市役所や町役場はなかった。
 想定の対象は福島、青森、岩手、宮城、茨城、千葉の6県と北海道。津波の高さは北海道や岩手県の一部で約30メートルに達する。福島、宮城両県では5〜20メートル弱で一部を除き東日本大震災より低い。理由について、内閣府は「想定される震源域が震災より北側にあるため」と説明した。全体で津波の高さが最も高いのは、岩手県宮古市の29.7メートル。同市以北では震災の津波を超える地点があった。
 各地の震度は北海道厚岸町と浜中町で震度7。北海道と青森、岩手両県の太平洋側の広い範囲で震度6強を観測すると見積もった。
 津波の高さや浸水域は満潮時で堤防が壊れる「最悪のケース」で推計した。想定を踏まえ、内閣府は21日、作業部会をつくり、人や建物、経済の被害を推計して対策を検討する。
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