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火山評価の不備指摘=「予知前提は不合理」−川内原発で福岡高裁支部


 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の運転差し止めをめぐる仮処分の即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部は6日、差し止め請求を退ける一方、原子力規制委員会が火山に対する安全性判断の根拠とした「火山評価影響ガイド」について、「噴火を的確に予測できることを前提としており、内容は不合理だ」と不備を指摘した。噴火予測の難しさに関しては、規制委の審査などでも多くの火山専門家が指摘しており、今後見直しを求める声が強まる可能性もある。
 ガイドは原発の半径160キロを対象に、影響を及ぼす可能性がある火山を選定。過去の活動歴などから、原発の運転期間中に火砕流が到達する恐れがないかや、火山灰の影響などを評価する手順を定めている。また、監視によって噴火の前兆を検知することや、その場合の対処方法を定めておくよう求めている。
 規制委は川内原発の審査で、「運用期間中に巨大噴火が起きる可能性は低い」として再稼働を容認。九電も「監視により、余裕を持って前兆を把握できる」と主張してきた。
 しかし、火山学の専門家からは懸念が続出。規制委の有識者会合も「巨大噴火の時期や規模を正確に予知する技術はない」との見解を盛り込んだ提言をまとめている。
 日本大の高橋正樹教授(火山学)は「1万年に1度の破局的噴火を考慮するかどうかは、科学的というより政治的な問題」と話す。「噴火の前兆を捉えて、原発を止められるかは分からない」と指摘し、「むしろ小さな噴火のときに、現実的に対応できるかが課題。火山灰が2週間降り続くケースもあり、周囲から遮断されて燃料や電源を確保できるのか。避難も含め、東京電力福島第1原発事故の教訓を生かさないといけない」と述べた。(2016/04/06-18:09)

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