【記事50930】クレーン倒壊、労基署が調査着手 関西電力高浜原発で20日に事故(福井新聞2017年1月24日)
 
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クレーン倒壊、労基署が調査着手 関西電力高浜原発で20日に事故

 関西電力高浜原発で大型クレーンが倒壊した事故で、福井労働局敦賀労働基準監督署が任意調査を始めたことが23日、関係者への取材で分かった。クレーン工事の安全管理について、関電や施工業者に労働安全衛生法違反がなかったか調べているとみられる。
 関係者や関電によると、同労基署は事故翌日の21日に、高浜原発構内へ職員3人を派遣してクレーンの倒壊現場を調べた。労働安全衛生法の「クレーン等安全規則」に基づき、運転者の資格の有無をはじめ点検や作業工程、固定方法などが適切だったかどうかの調査に着手したとみられる。
 同労基署は取材に対し「個別事案の調査の有無や内容は公表していない」とした上で、一般論として「法令違反が確認された場合、対象事業者に対して是正勧告などの行政指導を行うことがあり得る」と説明している。
 関電では高浜1、2号機の運転延長を巡り、原子力規制委員会の審査対応をしていた同社課長職の男性が昨年4月に過労自殺した。これを受け敦賀労基署は今月6日に岩根茂樹社長に出頭を求め、全管理職の労働時間を適切に把握するよう指導票を交付したばかりだった。
 倒壊事故は20日午後9時50ごろ、2号機の原子炉格納容器上部にドーム屋根を設置する安全対策工事に使うクレーンが倒れ、隣接する二つの建屋の屋根に全長約112メートルのアームが直撃した。当時は暴風警報発令中だった。工事は大手ゼネコンが受注し、複数の下請け業者が作業を行っていた。

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