【記事89005】受け取った金品は“預かった”もの!?関電会長ら20人に3億円超 株価も下落(MBSニュース2019年9月27日)
 
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受け取った金品は“預かった”もの!?関電会長ら20人に3億円超 株価も下落

 “原発マネー”が還流していた疑いもあります。関西電力の八木誠会長や岩根茂樹社長ら20人が2018年までの7年間に、原発がある福井県高浜町の元助役からあわせて3億2000万円を受け取っていたことがわかりました。
 「(Q金銭の授受は?)個人的なことについては一切お答えをしない。」(関西電力 八木誠会長)
 9月27日午前7時半頃、報道陣を振り切り足早に迎えの車に乗り込んだ関西電力の八木誠会長。その3時間半後の27日午前11時頃、関西電力本店では緊急の社長会見が開かれました。
 「お騒がせ致しましたことにつきまして深くお詫び申し上げます。」(関西電力 岩根茂樹社長)
 関西電力は、2011年から2018年の間に、八木会長や岩根茂樹社長を含む役員ら20人が、高浜原発がある福井県高浜町の森山栄治元助役から多額の金品を受け取っていたことを明らかにしました。その額あわせて3億2000万円にものぼるといいます。
 関係者によりますと、金沢国税局の調査で、高浜原発などの関連工事を請け負う地元の建設会社から森山元助役に対し受注の手数料として約3億円の資金が渡っていたことが確認されたというのです。さらに調査の中で、森山元助役が役員らの個人口座に送金したり現金を入れた菓子袋を関電側に届けさせていたりしことがわかったといいます。森山元助役は「関電にお世話になっているから」と説明したということです。
 岩根社長は会見で、こう釈明しました。
 「現時点では儀礼の範囲内以外はすでに返却を行っている。預かった金品を個人の管理下に置いていたことは、返却が困難な状況にあったといえ、不適切であったと考えている。」(関西電力 岩根茂樹社長)
 なぜ、返却が困難だったのか。それは地元の有力者だった森山元助役に対する配慮からだったといいます。
 「もともと地元の有力者で、地域の調整の観点からさまざまにお世話になっていて、当該人(森山元助役)との関係悪化を恐れて、いったん預かって返せるときに返そうと。」(関西電力 岩根茂樹社長)
 そして、岩根社長自身も物品を受け取っていました。
 「(社長)就任のお祝いで来られて話をして、最後にお祝いというか手荷物をいただいて、あとで見ると非常に高額なものなので、これは受け取れないということで返すすべをずっと考えていた。」(関西電力 岩根茂樹社長)
 一方で、「工事の発注に対する見返りでは?」という指摘については否定しました。
 この問題を受け、菅原経済産業相は…
 「極めて言語道断の状況にあると思います。原子力の立地地域の信頼に関わるということを考えると、極めて重要な事案であると捉えています。」(菅原一秀経産相)
 株価もすぐに反応しました。関西電力の9月27日の株価は前日の終値に比べ、5.7%安の1314円で取り引きを終えました。経営の先行き不透明感から売られた形です。
 大阪市内にある街頭の株価ボードの前で聞いてみると…。
 「今、株価が下がったということだが、当然のことかなと思います。許されないでしょうね。」(男性)
 「以前、関電の株を持っていたことがあるので、それが事実なら憤りを感じます。」(女性)
 高浜を舞台に動いた3億円以上の原発マネー。関西電力の信頼回復には程遠い状況です。
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