【記事89860】特命発注、代々引き継ぎ=関電、吉田開発は「特別な理由」−京都支社で8件(時事通信2019年10月5日)
 
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特命発注、代々引き継ぎ=関電、吉田開発は「特別な理由」−京都支社で8件

 関西電力幹部らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題で、関電が一部工事を森山氏と関係の深い建設会社「吉田開発」(同町)に独占的に発注し、社内の関係部門で代々引き継がれていたことが4日、分かった。
 こうした工事契約は「特命発注」と呼ばれ、関電は社内規定に定める「特別な理由」に該当すると判断していた。
 関電は2014〜17年に18件の工事を吉田開発に特命発注。このうち、京都支社は管内北部の社宅建設工事など8件を発注した。関電によると、「高浜町の企業に発注してほしい」との森山氏の意向が背景にあるという。
 関電の岩根茂樹社長は2日の会見で、「立地地域企業への発注は重要課題」と述べる一方、吉田開発への発注について「発注プロセスと発注額は社内ルールに基づき適正に行われた」と、問題ないとの認識を示している。
 調査報告書によると、京都支社は特命発注する際、本社の調達本部に「立地地域の地元対策上必要」などと意見。同本部は、建物工事の登録発注先が現地では吉田開発しかないことも踏まえ、特命発注を「特別な理由がある」と判断することを役職者の間で引き継いでいたという。
 京都支社では1988年以降、社内研修の講師として森山氏を年1〜2回招聘(しょうへい)するなど、「京都市内在住で(原発)立地地域の有力者である森山氏に対し、慎重・丁寧な対応をすることとしていた」(調査報告書)。森山氏から金品を受領していた20人の中には、京都支社の副支社長経験者が3人含まれている。
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