【記事59234】6/30刑事裁判公判に於いて明らかになった数々の事実と佐藤栄佐久元福島県知事抹殺が示すこの国の闇の深さ 9/14東電株主代表訴訟第35回口頭弁論期日と報告集会と映画「『知事抹殺』の真実」に参加して 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)(たんぽぽ舎2017年9月20日)
 
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6/30刑事裁判公判に於いて明らかになった数々の事実と佐藤栄佐久元福島県知事抹殺が示すこの国の闇の深さ 9/14東電株主代表訴訟第35回口頭弁論期日と報告集会と映画「『知事抹殺』の真実」に参加して 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)

 東電株主代表訴訟の主な被告である勝俣氏、武藤氏、武黒氏は6月30日に始まった刑事訴訟(業務上過失致死傷事件)の被告でもあります。
 その日の公判の冒頭陳述および証拠の要旨告知で現れた多くの事実をこちらの民事訴訟に利用することができます。
 その新事実を大幅に取り入れて、従前の「事実経過表」に書き加えたものが証拠として(準備書面26)提出されました。
 驚くべきは、書き加えられた事実の多さです。何年何月何日、どこでだれがどうしたか云々、こと細かい証拠が並んでいます。6月30日の公判で被告は10メーターの防潮堤建設は決定したのではなく、単なる「試算だった」といったそうですが、2007年には社内の土木グループに検討させ、2008年には東電設計という子会社にシュミレーションによる数字をださせて、その結果が南側だけでなく3方向を囲う防潮堤建設という結論に至ったわけですから、「試算」にとどまったわけはありません。
 この日の証拠確認では、そうした結論に至ったことを示す多くのメールも出て来ました。防潮堤の立体図・平面図も出てきました。驚くべきことに、これらの事実は2011年夏には検察も政府も政府事故調も知っていたのです。東電の事故責任とともに政府・検察の証拠隠蔽責任も厳しく問うべきです。
 その政府・検察は、福島第一原発事故が起こる前の2006年に、プルサーマル計画に反対し、福島原発を長期に止めた当時の福島県知事佐藤栄佐久氏を全くのでっち上げで逮捕したのです。
 佐藤氏の実弟が経営する郡山の会社の移転に伴う土地取引を、福島県の木戸ダム工事に絡めて、県知事の汚職に発展させたものです。
 東京地検特捜部は身近な関係者に過酷な事情聴取を繰り返し、ついには自殺未遂者が出ました。弟さんは2から3時間しか睡眠時間がない取り調べを連日受けたと話しています。こうして、佐藤栄佐久元知事は虚偽自白を迫られたのです。
 精神状態をおかしくさせて自白させる非人間的・憲法違反の取り調べの一例がここにもあったのです。
 佐藤栄佐久元知事は、原発のみならず、国の中央集権政策に反対し地方自治を推進しようとしていました。検察は取り調べの中で「日本にとってよろしくないから、いずれ抹殺する」と、弟さんに言ったそうです。
 佐藤栄佐久元知事にとって、家の周りを20人から30人のマスコミが連日囲んで、まるで犯罪者のような雰囲気を作ったことも打撃になりました。マスコミを巻き込んで冤罪を作っていくやり方は、松本サリン事件でも見られました。この国の闇はまだまだ深いと思いました。
 なお、知事抹殺については、NO NUKES voice 12号に2つの記事があります。
1.対談 佐藤栄佐久さん(元福島県知事)×泉田裕彦さん(全新潟県知事)「福島×新潟〈知事抹殺〉の真実」
2.報告 本間龍さん(著述家)「原発プロパガンダとは何か?佐藤栄佐久知事と東電トラブル隠し」(本間龍さんは12月14日予定の「スペースたんぽぽ」学習会・新ちょぼゼミの講師です) 

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