【記事88020】行政不服審査法の審査請求にまともに応じない原子力規制委員会 行政不服審査法の審査請求にまともに応じない原子力規制委員会 有識者は「由々しき者」、3条委員会のとんだ惨状 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その207 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎2019年9月5日)
 
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行政不服審査法の審査請求にまともに応じない原子力規制委員会 行政不服審査法の審査請求にまともに応じない原子力規制委員会 有識者は「由々しき者」、3条委員会のとんだ惨状 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その207 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 原子力規制委員会の東海第二原発の審査に対して審査請求を出した3団体が総務省と原子力規制委員会を呼んで開催した院内ヒアリング集会で、原子力規制委員会の審査請求対応があまりにひどいことを訴え、総務省に「改正」行政不服審査法に原子力規制委員会がまともに取り組むように訴えた。
 が、原子力規制委員会が東海第二の審査に自信が無く審査請求から逃げようとしていることとともに、総務省が3条委員会である原子力規制委員会の行政不服審査法への対応にあまりに寛容であることが明らかになった。

1 東海第二の審査請求の実態

 3団体の審査請求の状況から次のことが明らかになった。
○迅速性無し…9カ月後にも拘らず審査に着手していない
○「押印」要求による使いにくさ…
 原子力規制庁が旧法では不要であった連名者の押印を要求。市民へのいやがらせ
○公正性無し…
 「審理員」も審査担当も未定、内規を明らかにせず、意見陳述できず、審査請求受理後の公開(HPアップ)も半年遅れで連絡無し
○中身のない弁明書…
 原子力規制庁からの弁明書は「審査書に記載の通り」と弁明になっていない

2 総務省行政管理局は見ざる聞かざる言わざる

 以上の実態を逐次明らかにしたにもかかわらず、総務省は何も言わない。

○原子力規制庁の対応を容認
 「総務省としては、各審査庁において法律の主旨に従い適切に処理を進めて頂くものと考えております。」と原子力規制委員会のひどい対応に見ざる聞かざる言わざる。
○改正行政不服審査法の改善点である「審理員」制度も「行政不服審査会等への諮問手続き」も3条委員会には不適応。
 3条委員会である原子力規制委員会は「有識者からなる合議制で、慎重かつ公正な判断がされる」ものと制度上担保される為だそうだ。
○辺野古基地建設に係る沖縄県処分への防衛省の審査請求についてもノーコメント
 9カ月放置の私たちの審査請求と沖縄県処分に対する審査請求との違いを指摘した質問に対しては、個別事案には答えられないと逃げた。
 勿論、このような総務省・原子力規制委員会(原子力規制庁)の対応に引き続き厳しく追及していく。東海第二の合格は、規制委の基準と審査のいい如何さを如実に表しているのだから。
 それにしても原子力規制委員会が「有識者からなる合議制で、慎重かつ公正な判断がされる」(総務省)を誰が信じようか?
 発足時に「原子力ムラ出ていけ」と厳しく追及され国会同意もなかなか得られなかった初代原子力規制委員には、島崎邦彦委員(委員長代理)と大島賢三委員(国会事故調)がおり、日本アイソトープ協会からであるが女性委員も一人いた。ところが今は男ばかり、石渡明委員(地質学者)以外の4人全員が原子力ムラの人である。
 有識者(ゆうしきしゃ)というよりも「由々しき者」(ゆゆしきしゃ)だ。
 「由々しき者」が牛耳る「3条」委員会、原子力規制委員会のとんだ「惨状」だ。

【註:三条委員会】
 国家行政組織法第3条や内閣府設置法第64条の規定に基づいて、府省の外局として置かれる、独立性の高い行政委員会。府省の大臣などから指揮監督を受けず、独自に権限を行使できる。
 公正取引委員会・国家公安委員会・特定個人情報保護委員会(内閣府)、公害等調整委員会(総務省)、公安審査委員会(法務省)、中央労働委員会(厚生労働省)、運輸安全委員会(国土交通省)、原子力規制委員会(環境省)がある。(コトバンクより)
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