[2024_01_25_55]若狭湾_地震時地殻変動の実例_能登半島地震_石橋克彦_講演資料_P44(もっかい事故調_原子力資料情報室2024年1月25日)
 
参照元
若狭湾_地震時地殻変動の実例_能登半島地震_石橋克彦_講演資料_P44

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 補足:「若狭湾でも地震時地殻変動の実例はあるのでしょうか」というご質問に的確なお答えができなかったので、簡単に補足します。

 まず海成段丘についていうと、図に示すように、若狭湾岸にも MIS5e (約12〜13万年前) の旧汀線高度の高い場所があり、とくに若狭湾東岸最北の越前岬付近では高度約120mで、隆起海成段丘が発達している。その南の越前海岸〜河野海岸も隆起している。すぐ沖合には甲楽城(かぶらぎ) 断層などの断層群があり、それらの活動で隆起してきたと考えられている。しかし、過去の地震時地殻変動 (隆起) の具体的事例は知られていない。

 若狭湾最南部の小浜湾でも、西岸の大飯原発敷地を含めて、MIS5e の旧汀線高度が10〜15m程度であり、FO-B〜FO-A〜熊川断層の活動で隆起してきたと考えられる (渡辺満久, 2014, JpGU大会予稿) 。ただし、具体的な地震時隆起は知られていない。

 地震時隆起として確かなものは、海底活断層によるのではないが、1662 (寛文二) 年近江・若狭地震(M7.5前後) によって、美浜湾南西方の三方五湖付近から敦賀半島根元付近までが2.6〜5m程度隆起した事例である (小松原琢ほか, 1999, 歴史地震, 15号)。これは内陸の南北走向の花折〜三方断層・他が活動したもので、三方五湖西部では沈降も生じた。

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