【記事66850】第2部_内部直下型地震と活断層のすがた_宮城県北部地震(東北大学総合学術博物館のすべて42018年3月29日)
 
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第2部_内部直下型地震と活断層のすがた_宮城県北部地震

宮城県北部地震
 2003年7月26日,宮城県北部を震源とするマグニチュード5.6, 6.4, 5.5の内陸直下型地震がたて続けに発生しました。河南町・矢本町などは最大震度6強の烈震にみまわれ,負傷者647名,住家被害6,413棟におよぶ被害がでました。
 東北大学では,急遽,震源周辺に14ヵ所の観測点を設置し,余震活動の観測を行いました。図は,震源のほぼ直上にある矢本町大塩小学校に設置した地震計がとらえた余震の波形ですが,驚くほどたくさんの余震が発生しており,中には本震と同じくらい,大きなものも混じっています。
 当初,宮城県北部地震は震源付近に知られていた旭山とう曲構造に伴う断層が活動したと考えられましたが,余震分布はそれとは別の断層の活動を示していました。

宮城県北部地震で見つかった新しい活断層ー須江(すえ)断層の発見

 地下構造を調べるために人工地震を使った探査が行われました。その結果,地表付近から深さ2kmに延びる断層が発見され,須江断層と名前がつけられました。須江断層付近の地質調査からは,この断層は約2000万年前より古い時代に活動した正断層と考えられます。須江断層の位置と余震分布を詳しく調べると,宮城県北部地震は須江断層の延長,地下深くで発生したこと,さらに須江断層は,現在では断層西側地域がせり上がる逆断層として活動したことがわかりました。

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