[2021_10_08_25]震源は千葉市直下なのに…足立区や埼玉県で震度5強となったのは「軟弱地盤の影響」 気象庁(東京新聞2021年10月8日)
 
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震源は千葉市直下なのに…足立区や埼玉県で震度5強となったのは「軟弱地盤の影響」 気象庁

 2021年10月8日 11時44分
 7日深夜、関東地方に強い揺れをもたらした地震の震源は、千葉市の直下で深さ約75キロとやや深いが、普段から地震活動が活発な「地震の巣」だ。最大震度5強を東京都足立区や埼玉県で観測したことについて、気象庁は「昔の川沿いとか、地盤の軟らかい所で強く揺れた」と、軟弱地盤の影響を指摘している。
 関東の地下構造は複雑だ。陸のプレート(岩板)の下に東から太平洋プレートが沈み込み、両プレートの間に南からフィリピン海プレートが沈み込む。この影響で千葉県北西部では、深さ60〜75キロ付近で定常的に地震が多発している。
 気象庁は今回の地震を「フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界付近で起きた」と説明。静岡大の吉田明夫客員教授(地震学)は「特に驚くような地震ではない。2005年にもほぼ同じ所(深さ73キロ)でマグニチュード(M)6の地震があった。これぐらいの規模が、この震源付近で起きる最大クラスの地震ではないか」とみる。
 05年7月の地震でも、今回と同じ足立区北部の伊興地区で震度5強を観測。気象庁は「地盤の影響」を指摘していた。今回、都内では羽田空港や大田区多摩川など5地点で震度5弱、ほかの多くの地点では震度4〜3の揺れだった。
 想定されるM7級の首都直下地震について、吉田さんは「今回の地震がさらに大きな地震の前兆だとは言えないが、震源が深い地震でも被害は生じうる」と注意を促す。(宇佐見昭彦)

JR京浜東北線 入場規制も

 埼玉県内を通るJR京浜東北線はダイヤが大幅に乱れ、駅の前では一時、長い行列ができました。
 JRによりますと、京浜東北線は7日夜の地震の直後から運転を見合わせ、8日朝6時すぎに運転を再開しましたがダイヤが大幅に乱れました。
 この影響で駅の入場規制が行われ、西川口駅の前には一時、長い行列ができていました。
 20代の女性は「職場に向かおうとしたらとても混雑していて驚きました。駅のアナウンスも聞こえず何が起きているのかも分かりません」と不安そうに話していました。
 また、千葉県内の会社で内定式があるという20代の男性は「40分ほど時間に余裕をもって出てきましたが駅に着いたらこの状態で、内定式には間に合いそうにありません。楽しみにしていたのですごく残念です」と話していました。
 西川口駅の前にできた行列は午前10時半前には解消しましたが、JRによりますと、ダイヤの乱れは続いているということです。

JR川口駅で入場規制

 JR川口駅でも、地震の影響で断続的に入場規制が行われているということで、構内に入りきれない多くの人たちが駅前の広場に列をつくっている様子が確認できました。

神奈川県内のJR ダイヤに大幅な乱れ

 JR東日本横浜支社によりますと、東海道線や京浜東北線などは、8日7時前に運転を再開しましたが、その後もダイヤに大幅な乱れが出ています。
 この影響で、JR川崎駅や横浜駅などでは、朝から混雑が続き、安全を確保するため断続的に入場規制を行ったということです。
 このうち川崎駅では、ダイヤの乱れを知らせる電光掲示板の前に人が集まり、携帯電話で連絡をしたり、駅員から遅延証明書を受け取ったりする姿が見られました。
 このうち、JR南武線の中野島駅から川崎駅まで来たという60代の女性は「覚悟はしていましたが、ふだんなら30分で着くところが50分かかりました。遅れるのはしかたがないですね」話していました。
 また、仕事の打ち合わせのため東京 府中市から来たという40代の男性は「ダイヤの乱れを予想して早めに移動したので、仕事には遅れずに済みそうです。余裕をもって動いてよかったです」と話していました。
KEY_WORD:首都圏震度5強_2005年千葉県北西部地震と類似_:CHIBAKENHOKUSEIBU_: