[2021_10_06_01]青森県で震度5強 津波なし(NHK2021年10月6日)
 
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青森県で震度5強 津波なし

 
 6日午前2時46分ごろ、岩手県沖で地震があり、青森県で震度5強の強い揺れを観測したほか盛岡市などで震度5弱の揺れを観測しました。この地震による津波はありませんでした。

 気象庁はデータを詳しく解析した結果、
▽地震の規模を示すマグニチュードを6.0から5.9に、
▽震源の深さを50キロから56キロに、それぞれ更新しました。

 気象庁によりますと6日午前2時46分ごろ、岩手県沖の深さ56キロを震源とするマグニチュード5.9の地震があり
▽震度5強の強い揺れを青森県階上町で観測しました。
また
▽震度5弱の揺れを青森県の八戸市と南部町、それに盛岡市で観測しました。
このほか
▽震度4から1の揺れを東北や北海道関東、それに新潟県の広い範囲で観測しました。
 この地震による津波はありませんでした。
 気象庁は「揺れの強かった地域では落石や崖崩れなどの危険性が高まっているので、今後の地震活動や雨の状況に十分注意してほしい。今後、1週間程度は最大震度5強程度の揺れを起こす地震に注意してほしいと」呼びかけています。

震度5強の階上町 これまで被害情報などなし

 震度5強を観測した青森県階上町と震度5弱を観測した八戸市を管轄する八戸警察署によりますと、午前3時10分現在、被害の情報や通報は入っていないということです。引き続き、被害がないか確認を進めています。また、八戸消防署によりますと、午前3時10分現在、被害の情報や通報は入っていないということです。
 階上町にある交番の警察官は「大きな横揺れだったが、5秒から10秒ほどの比較的短いものだったと感じた。棚から物が落ちることもなく周辺の建物などにも現時点で目立った被害は見受けられないが、まだ発生直後のため、情報収集を進めている」と話していました。
 また階上町の町役場にいた警備員の男性は「コンクリート建ての建物の1階にいて、はじめは弱い揺れからだんだんと強くなって、30秒から40秒ほどの横揺れが続きました。庁舎内の物が落ちたりしていないか確認をしに行くところです。突然の揺れで驚きました」と話していました。

青森県で震度5強は2015年2月以来

 気象庁によりますと、青森県で震度5強の揺れを観測したのは2015年2月17日に岩手県沖で発生した地震以来です。このときのマグニチュードは5.7で、今回の地震と同じ階上町で震源5強の揺れを観測しています。
 また、岩手県で震度5弱の揺れを観測したのは、ことし5月1日に宮城県沖を震源とするマグニチュード6.8の地震以来で、このときには釜石市と一関市で震度5弱の揺れを観測しています。

建物被害 片づけの注意点

 震度5強など強い揺れを観測した地域では、建物の被害のほか片づけをする際のけがなどに注意が必要です。
 耐震性が低かったり老朽化が進んでいる建物は、地震による大きな揺れでさらに被害を受けるおそれがあります。建物のきしむ音がしたり、壁に亀裂やひび割れが入っているなど不安な場合は避難所や近くの頑丈な建物で過ごしてください。この際は、ほかの建物やブロック塀に注意してください。揺れで弱くなっている可能性があります。
 周囲が暗い中での片づけは、割れた食器やガラスなどで思わぬけがをする危険があります。無理をしないようにして、室内を歩くときは懐中電灯などを使い、スリッパや靴をはくようにしてください。片づけは明るくなってから行い、不安な場合は安全な場所に避難してください。

専門家「今後1週間は同程度の揺れに注意」

 地震のメカニズムに詳しい東京大学地震研究所の古村孝志教授は「現時点での解析では地震のメカニズムは逆断層型とみられ、地震の深さから陸のプレートに沈み込む太平洋プレートの内部で発生したと考えられる。震源が深いので、東北の日本海側など広い範囲で震度3程度の揺れを観測したのが特徴だ。この地域では2015年2月にも岩手県沖を震源とするマグニチュード5.7、深さ50キロの地震があり、階上町で震度5強の揺れを観測するなど、ふだんから地震活動が活発だ」と話しています。
 そのうえで「一般的には震源が浅かったりプレート境界で起きたりする地震と比べて、余震活動は低くなる傾向にあるが、今後1週間程度は今回と同じ震度5強程度の揺れを伴う地震が起きるおそれがあり、引き続き注意してほしい」と話しています。

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