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女川原子力発電所における2011年4月7日宮城県沖の地震時に取得された地震観測記録の分析結果の概要
女川原子力発電所における2011年4月7日宮城県沖の地震時に取得された地震観測記録の分析結果の概要

1．地震観測記録の分析結果
　2011年4月7日に発生した宮城県沖の地震により取得された女川原子力発電所の原子炉建屋および敷地地盤における地震観測記録を分析した。

（1）原子炉建屋における観測記録
　原子炉建屋には、保安確認用地震計と建屋観測用地震計を設置している。それぞれの地震計で得られた観測記録の最大加速度値は、基準地震動Ssに対する最大応答加速度値※1を鉛直方向で一部上回る階があるものの、概ね下回っていることを確認した（図-1）。

（2）敷地地盤における観測記録
　女川原子力発電所では、図-2に示す位置で地盤の地震観測を行っている。解放基盤相当位置（O.P.-8.6m）の観測記録は、一部の周期帯（東西方向、周期0.05秒付近）において基準地震動Ss を上回るものの、概ね下回っていることを確認した（図-3）。

2．基礎版上の観測記録を用いた地震応答解析結果
　今回の地震による原子炉建屋耐震壁の変形（最大応答せん断ひずみ）や各階毎の耐震壁に作用したせん断力を概略評価するために、基礎版上の観測記録を用いた地震応答解析を実施した（図-4）。

（1）最大応答せん断ひずみの確認
　地震応答解析の結果、最大応答せん断ひずみは評価基準値※3以下であることを確認した（表-2）。

（2）各階毎の耐震壁に作用したせん断力の確認
　地震応答解析の結果、各階毎の耐震壁に作用したせん断力は鉄筋の弾性範囲で負担できる各階毎のせん断力（弾性限耐力）を下回っていることを確認した（図-5）

3．まとめと今後の対応
　女川原子力発電所における今回の地震観測記録を分析した結果、基準地震動Ssを一部上回るものの、概ね下回っていることを確認した。また、観測記録を用いた地震応答解析の結果、今回の地震によっても原子炉建屋の機能が維持されていることを確認した。
　今後、敷地地盤の地震観測記録を基準地震動Ssと同じ条件とするため、地震計の上部地盤の影響を取り除くはぎとり解析を実施するとともに、各施設に対して東北地方太平洋沖地震および今回の地震の影響を考慮し、詳細点検や既に実施済みの耐震裕度向上対策を踏まえた評価を実施していく。