[2021_07_06_01]北電から新電力に切り替え72万件 小売り自由化から5年(北海道新聞2021年7月6日)
 
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北電から新電力に切り替え72万件 小売り自由化から5年

 電力小売り全面自由化から5年余りが経過し、北海道電力管内で家庭や商店向けの低圧契約を新電力に切り替えた件数は累計72万件超に上っている。電気料金が全国一高い北電を避け、少しでも低料金を望む道民の支持を受けた形。ただ、新電力の勢いには頭打ち感も漂っている。
 経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会が毎月まとめる「電力取引報」によると、家庭用を含めた小売りが全面自由化された2016年4月からちょうど5年の今年3月時点で、北電から新電力に切り替えた件数は累計72万1576件。背景には泊原発(後志管内泊村)停止後の2度の電気料金値上げがある。
 道内新電力で最大の北海道ガスは、本年度に入り電力の契約件数が20万件を突破。石狩湾新港の液化天然ガス(LNG)火力発電所など自社電源の比率が約6割という安定性が売りだ。これにコープさっぽろ傘下のトドック電力(札幌)が約5万件、LPガス・灯油販売のいちたかガスワン(同)が約4万件と続く。
 販売電力量で見た今年3月の道内の新電力全体のシェアは20・2%(高圧など含む)で全国平均を0・7ポイント上回る。ただ、ピーク時の24・7%(18年10月)から低下。北電がガスとのセット割引などを強化、新電力から北電に戻る「逆切り替え」が進んだためで、16年4月からの累計で4万6862件を奪い返した。
 今年1月にかけての寒波をきっかけとする卸電力市場の価格高騰で、新電力事業者の経営環境も厳しくなっている。新電力のF―Power(エフパワー、東京)とパネイル(東京)が破綻。昨年には、小売り電気事業者が主に大手の発電所の維持・更新費を負担する「容量市場」制度も始まった。
(後略)
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