[2017_05_10_02]原燃が補正申請書出/再処理工場の適合性審査(デーリー東北2017年5月10日)
 
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原燃が補正申請書出/再処理工場の適合性審査

 最終盤に差し掛かる使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の新規制基準適合性審査で、日本原燃は9日、これまでの審査会合の指摘事項を反映させた補正申請書を原子力規制委員会に提出した。規制委は今後、補正書を精査した上で合格証の原案(審査書案)を作成する見通しだが、事務局の原子力規制庁は同日の取材に「原発と違って前例のないケース。しばらく時間はかかるだろう」との認識を示した。
 原発の審査では、補正書提出から一般の意見公募を経て審査書決定(合格)に至るまで3、4カ月を要している。これに倣うと、原燃は最短で秋口にも合格という展望を描けるが、工場完成を目指す2018年度上期までに新基準に適合させる安全対策工事を完了できるかは不透明だ。
 補正書は約8千ページに上り、規制庁の片岡洋安全規制管理官は「精査する量が多い。これまでのやりとりを踏まえれば、重大事故対策などで修正を求める箇所が出てくる可能性もある」と取材に答えた。審査手続きが長引くほど、完成までのスケジュールが一層厳しさを増す。
 工場の審査は3月下旬で実質的に終了。原燃は補正書で、施設の基本設計を記した事業変更許可申請について、14年1月の審査開始から3年超にわたって説明してきた追加の安全対策を記載した。耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)の700ガルへの見直しなどを盛り込む。
 一方、原燃は対策工事の費用について、今回の補正書で記載を見送ったため再補正する必要がある。原燃は15年度決算の段階で約540億円と公表しているが、最終的には数千億円規模に膨らむ公算だ。
 原燃は当初、16年のうちに補正書を提出する意向だったが、ウラン濃縮工場(同村)での保安規定違反を巡り、全社的な品質保証体制の不備が同年末に発覚。是正計画の策定を優先させ、補正書の取りまとめが遅れていた。
 同日は、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設、MOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料工場についても補正書を提出した。

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