[2017_04_19_05]ウラン濃縮工場「合格」 原燃施設初、規制委了承(東奥日報2017年4月19日)
 
 原子力規制委員会は19日午前、都内で開いた定例会で、日本原燃ウラン濃縮工場(六ヶ所村)が新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承した。事実上の合格で、原燃施設では初。経済産業相への意見聴取を経て、5月中にも審査書を正式決定し、審査合格となる見通し。新基準下での核燃料施設では、核燃料加工会社「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」(神奈川県)の工場に続き2例目。
 ウラン濃縮工場は、天然ウランにわずかしか含まれない核分裂しやすいウランの濃度を遠心分離機により核燃料に使える程度に高める国内唯一の施設。1992年に運転開始した。
 規制委定例会では、伴信彦委員が「六フッ化ウランの漏えいが問題。一般への影響評価が大事だ」と指摘した。
 同工場の審査を担当した田中知委員は、原燃の安全管理に関する全社的な取り組みを考慮して審査書案をまとめたと説明した。審査書案の内容自体に異論は出なかった。
 原燃は審査合格後、ウラン濃縮工場の耐震補強などの工事に着手。原子力規制庁が実施する使用前検査を経て、2018年末までに新基準に適合した形で運転を始める予定。
 原燃は14年1月、六ヶ所村の核燃料サイクル4施設の審査を申請。今後の手続きが順調に進めば、ウラン濃縮工場が原燃施設の合格第1号となる。
 事故時のリスクが比較的小さいとされるウラン濃縮工場は、新基準施行に伴う経過措置として、合格前でも18年12月まで5年間の運転が認められており、現在も運転中。
     (古川靖隆)
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