[2017_01_07_01]核燃料物質数トン 長期不適切保管 六ヶ所再処理 違反疑い(東奥日報2017年1月7日)
 
 原子力規制庁が、日本原燃の六ヶ所再処理工場に対し、核燃料物質を不適切に管理していると保安検査で指摘したことが6日、分かった。規制庁は「保安規定違反の疑義がある」と問題視しており、2月上旬に検査結果を公表する方針。
 規制庁によると、不適切管理は昨年11〜12月に実施した保安検査で判明した。同工場のウラン・プルトニウム混合脱硝建屋等でアクティブ試験(最終試運転)などで発生したウラン酸化,物粉末、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)粉末、劣化ウラン粉末の核燃料物質の一部が、保安規定で定められていないグローブボックス(放射性物質を取り扱う装置)等で長期保管されていた。核燃料物質は数トン単位に上るという。
 規制庁は「大量の核燃料物質を一時仮置きと称して長期間にわたり、許可を受けた場所以外で保管しているのは極めて不適切。可能な限り早急に適切な管理状態とすること」と改善を要求した。
 原燃は「作業の流れで次に使うため仮置きしていたが、東日本大震災や新規制基準対応のためそのままになっていた」と経緯を説明した上で「核燃料物質の数量を管理するとともに、保安上の措置は講じていたが、許認可において貯蔵・保管することとしていない場所で、長期にわたり核燃料物質を置き続けていることは適切な処置でなかったと考える」とコメントした。
 原燃を巡ってはウラン濃縮工場で放射性廃棄物の不適切保管が発覚し、2015年11月に保安規定違反と判定された経緯がある。
     (阿部泰起)
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