[2021_06_23_01]原燃・低レベル埋設センターが事実上の合格(東奥日報2021年6月23日)
 
参照元
原燃・低レベル埋設センターが事実上の合格

 原子力規制委員会は23日、東京都内で開いた定例会合で、日本原燃・低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ケ所村)が新規制基準を満たすとする事実上の合格証「審査書案」を了承した。埋設センターは操業中だが、原燃が埋設施設の増設を含む事業変更許可を2018年8月に申請したことから、審査会合で安全対策などを確認した。およそ2年10カ月の審査を経て安全対策や変更内容などが認められた。
 原燃ではこれまでに再処理工場をはじめ4施設の新基準適合性審査を終えており、これで全施設が審査合格することとなる。
 埋設センターの主な事業変更の内容は、全国の原発で発生した金属、プラスチックなどを入れた「充填(じゅうてん)固化体」を最大4万2240立方メートル受け入れる3号埋設施設を増設するほか、廃液、樹脂などを固めた「均一固化体」を埋設する1号施設の一部で、充填固化体を受け入れる。また、1、2号施設の埋設量を施設の容量に合わせて計2432立方メートル増やす。
 23日の定例会合で、委員5人は全会一致で「合格」を了承。パブリックコメント(意見公募)を実施しないことも決めた。経済産業相への意見照会を経て、正式な合格証となる審査書を審議する。
 審査会合は21回に上り、廃棄物の設置終了後に施設を3層の土などで覆う「覆土」や、覆土完了から300年以降の線量評価などについて議論した。原燃は覆土後300年にわたり、周辺環境の放射線量や、地下水などに放射性物質が漏えいしていないか監視を続ける。
 原燃の増田尚宏社長は審査書案の了承を受け「大きな前進。審査で約束した内容をしっかりと現場に反映させ、安全な施設をつくり上げていく」とコメントした。

 ◇
 <日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センター 全国の原発で発生した放射性レベルの比較的低い廃棄物を、浅い地中に埋設処分する日本で唯一の施設。1992年12月に操業開始。コンクリートピットと呼ばれる鉄筋コンクリート製の区画に、200リットルドラム缶に詰めた廃棄物を横置きに並べモルタルを注入、満杯になった後は土などで覆う。現在、1号施設では濃縮廃液や樹脂、焼却灰などをセメントやアスファルトで固めた「均一固化体」、2号施設では金属類やプラスチックなどを固形化した「充填(じゅうてん)固化体」を受け入れている。>
KEY_WORD:ROK_LOW_:ROKKA_: