[2020_11_10_02]海外再処理のガラス固化体 返還再開で調整(東奥日報2020年11月10日)
 
 原発の使用済み核燃料を海外で再処理した後に出た高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の日本への返還を、電力会社や日本原燃が再開する方向で調整していることが9日、原子力規制委員会などへの取材で分かった。六ヶ所村にある原燃の貯蔵管理センターが今年8月に規制委の審査に合格したためで、2021年度に再開されれば5年ぶりとなる。
 政府は使用済み燃料を再処理し混合酸化物(MOX)燃料にして再利用する核燃料サイクル政策を掲げる。国内では再処理工場が未完成のため、再処理を英国やフランスに委託した。同センターは1995年に操業を始め英仏からの返還分を受け入れてきたが、東京電力福島第1原発事故後の新規制基準に対応するため、2017年度以降は受け入れを中断している。
 規制委によると、東京電力と日本原子力発電、原燃から今月、返還再開に向けた日程や検査工程に関する資料の提出を受け、規制委からは確認事項などを伝えた。
 原燃によると、受け入れるのは英国からの返還分。同国には放射性物質をガラスで固めた固化体が約380本残っている。フランス分は全て受け入れ済み。
 原燃は審査合格と同日に、安全対策工事の完了時期を今年11月から21年度上期に延期した。今後は工事を行うための認可審査や実際の工事、検査・確認などが控えるが、審査や工事には一定の時間を要するとみられ、計画通りに完工できるかは見通せない。
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