[2020_01_30_03]大飯原発「安全性を欠くとは言えない」 大阪高裁、運転差し止めを認めず(毎日新聞2020年1月30日)
 
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大飯原発「安全性を欠くとは言えない」 大阪高裁、運転差し止めを認めず

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転を差し止めるよう、京都府の男性が求めた仮処分申請の即時抗告審で、大阪高裁は30日、訴えを棄却した。山下郁夫裁判長は「安全性を欠くとは言えない」と判断し、運転差し止めを認めなかった。
 仮処分を申し立てたのは、大飯原発から約50キロの京都府南丹市に住む男性(77)。大阪地裁が2019年3月に申請を却下し、男性が即時抗告していた。
 関電が原発の耐震設計で想定した最大の揺れ「基準地震動」が適切かどうかが主な争点。男性側は、原子力規制委員会委員長代理を務めた島崎邦彦氏による証言を基に、基準地震動が過小評価されている可能性があると指摘していた。
 高裁は、関電が周辺の断層の長さなどを考慮し、地震による影響をより大きく想定して基準地震動を算出していると判断。安全性の基準に適合しているとした原子力規制委の判断は合理的だと結論づけ、島崎氏の証言も否定した。
 男性は「科学者の声を無視した決定だ」と憤った。【村松洋】
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