[2022_09_02_07]むつ市核燃新税、国同意へ(東奥日報2022年9月2日)
 
参照元
むつ市核燃新税、国同意へ

 青森県むつ市が導入に向けて総務相へ申請した使用済燃料税(核燃新税)の「大臣協議」を巡り、有識者でつくる国の地方財政審議会が、新税に「同意すべきだ」として事実上合意したことが1日分かった。地財審の意見を踏まえ、総務相が同意について最終判断する。一方で、納税を義務付けられる事業者と市の主張は依然として対立。地財審は議論を継続し、市側に事業者の理解を得るよう促す方針。
 使用済み核燃料をむつ市内で一時保管する中間貯蔵施設は、親会社の東京電力と日本原子力発電が出資する「リサイクル燃料貯蔵」(むつ市、RFS)が運営する。市は使用済み核燃料への課税に向けて3月末、国に協議を申請。総務相は地財審の意見を聞いた上で同意、不同意を判断する。
 地財審は4月以降、非公開で6回協議。1日に公開した直近の会合の議事要旨によると、委員5人は核燃新税の導入に同意すべきだとの意見でまとまった。
 RFSは従来、「具体的な搬入計画が示されていないため収支計画を策定できない」と主張。一方で地方税法は「税負担が著しく過重」などの3要件に該当しない限り、総務相が同意しなければならないと定める。
 「貯蔵する使用済み核燃料のウラン重量1キロ当たり620円」としたむつ市の税率について、地財審は他地域の先例と比べて著しく高いとは言えないーと判断。RFSの主張通りだとしても「著しく過重」には当たらないと結論付けた。
 市は当初、「受け入れ時に1キロ当たり1万9400円、貯蔵は1300円」と設定。税収は5年間で約94億円とはじいた。しかしRFSの要請を踏まえ、受け入れの課税を断念。貯蔵の税率も引き下げ、5年間の試算額を約5億8千万円まで減らした経緯がある。市の試算によると、貯蔵期間の50年間では1千億円以上の税収を見込んでいる。
 地財審は譲歩した市側の姿勢を評価。その半面、RFSと合意した上での課税が望ましいと指摘。同意に当たっては「理解が得られるよう引き続き努めることが必要」と伝えてはどうかーとの見解も示し、次回会合で付帯意見について協議し、議論が終結すれば総務相の同意判断へ移る。
KEY_WORD:MUTSU_RECYCLE_: