[2020_12_18_02]中間貯蔵施設の共同利用案に青森・むつ市長が反発 「核のゴミ捨て場ではない」(毎日新聞2020年12月18日)
 
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中間貯蔵施設の共同利用案に青森・むつ市長が反発 「核のゴミ捨て場ではない」

 大手電力でつくる電気事業連合会の清水成信副会長と経済産業省の幹部が18日、青森県むつ市を訪問し、同市の使用済み核燃料の中間貯蔵施設を電力各社で共同利用する案を宮下宗一郎市長に説明した。宮下氏は中間貯蔵施設がなし崩し的に最終処分場になってしまうことへの懸念を伝えた上で、「むつ市は核のゴミ捨て場ではない。全国の燃料の受け入れ先がむつ市である必然性はない」と反発し、共用化ありきの議論はできないと強調した。
 中間貯蔵施設は、東京電力ホールディングスと日本原子力発電の使用済み核燃料を貯蔵する前提で設立された。電事連は2社だけでなく原発を持つ電力各社で共同利用したい考え。清水氏は「地元の理解を得る努力をしながら検討を進めたい」と説明した。
 これに対し、宮下氏は「一方的に霞が関の決定を押しつけるようなことがあってはならない。中間貯蔵施設が必要なことは理解しているが、全国で探すプロセスがあってしかるべきだ」と不快感を示した。
 また、清水氏は青森県の三村申吾知事と会談し、共同利用案を報告した。三村氏は「新しい話なので聞き置くだけにする。国が前面に立って地元にしっかり説明することが必要」と述べた。
 電事連が共同利用の検討を始めたのは、運転開始から40年を超える関西電力の美浜原発3号機(福井県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)について、再稼働に向けた地元同意のプロセスが進んでいることが背景にある。福井県は関電が県外の中間貯蔵候補地を年内に提示することを同意の前提としており、共同利用案は関電支援の意味合いが強い。18日に東京都内で記者会見した関電の森本孝社長は共同利用案について「積極的に参画したい」と述べ、福井県に近く報告する意向を明らかにした。【平家勇大、藤渕志保】
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