[2020_08_26_01]自然の時間を尊重、4つのプレートがぶつかる日本列島、核のゴミは製造物責任 〜小野有五講演会が明らかにする原子力規制委員会の愚かで巧妙な再稼働推進〜 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その230 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)(たんぽぽ舎2020年8月26日)
 
参照元
自然の時間を尊重、4つのプレートがぶつかる日本列島、核のゴミは製造物責任 〜小野有五講演会が明らかにする原子力規制委員会の愚かで巧妙な再稼働推進〜 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その230 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

 8月22日に青森で開催された小野有五先生(北海大学名誉教授)の講演会「高レベル放射性廃棄物地層処分の問題点〜青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地としてはならない!」をオンラインで拝聴して多くを教えられた。
 一部を紹介する。
○人間の時間と自然の時間
 人間はせいぜい百年、自然は何億年以上。私たちの一生は自然に とっては瞬間!
○4つのプレートがぶつかる日本列島
 熱的に生きている地球、地震多発(地球地震の1割)国日本に54基の原発。米国で地震と原発が共存する唯一のカリフォルニア州も 脱原発決定
○核のゴミは製造物責任で 
 地層処分は特に日本で危険。十万年も管理できるか。人間が見えるところで管理すべき。製造物責任ゆえ原発敷地内保管が現実的か。
 残念ながら原子力規制委員会はこれらに耳を貸さない。原子力規制委員会は、9基の原発稼働を認め、3基の老朽原発運転延長を認め、膨大な放射能を放出する六ヶ所再処理施設まで「合格」を出した。巧妙な規制委の「合格」施策を振り返ってみると「原子力規制委員会は再稼働推進委員会」が良く分かる。

2012年9月日本学術会議提言「高レベル放射性廃棄物の処分」
2012年9月原子力規制委員会発足
2013年7月「新規制基準」施行(再稼働申請開始)
2014年9月九州電力川内原発の「合格」(2015年8月再稼働)
〜高浜・伊方・大飯・玄海の「合格」・再稼働
2016年6月高浜1・2号炉の運転期間延長決定(10月美浜3号)
2016年12月もんじゅ廃炉決定(2015年5月点検漏れ発覚)
〜柏崎刈羽6・7号炉・東海第二・女川の「合格」
2020年7月六ヶ所再処理施設「合格」

 3.11事故の検証・廃炉・汚染水対策をなおざりにしておいて、地震多発・火山噴火多発の日本で原発再稼働を容認し稼働実現た後で、もんじゅ廃炉・六ヶ所合格など「核のゴミ」問題を徐々に明らかにしたのだ。
 この対応は日本学術会議の提言に反する。日本学術会議が、丁度原子力規制委員会が発足した2012年9月に原子力委員会への回答「高レベル放射性廃棄物の処分について」を提言した。

(1) 高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し
(2) 科学・技術的能力の限界の認識と科学的自律性の確保
(3) 暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築
(4) 負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性
(5) 討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性
(6) 問題解決には長期的な粘り強い取組みが必要であることへの認識

 特に、「高レベル放射性廃棄物の処分問題は、その重要性と緊急性を多くの国民が認識する必要がある」とし、「原子力政策の方針を決めた後に、高レベル放射性廃棄物問題の対処を考えるのではなく、高レベル放射性廃棄物問題を考慮事項に入れた上で、原子力政策について考えるべきである」と結んでいる。それにも拘らず、経産省も原子力規制委員会もこの提言を全く無視して巧妙に再稼働推進してきたのだ。
 原子力規制委員会や経産省の不当な再稼働推進策・原発生き残り策を厳しく監視・糾弾し、行き詰まった原子力政策にとどめをささねばならない。
 小野有五先生の「自然の時間を考えよう」、「日本列島は活動的な変動態の上で危険」、「核のゴミは製造物責任で」、を強調しよう。
KEY_WORD:地層処分_:TOUKAI_GEN2_:KASHIWA_:MONJU_:SENDAI_:汚染水_: