[2019_09_19_19]原子力機構 大洗研にある材料試験炉の廃止申請(茨城新聞クロスアイ2019年9月19日)
 
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原子力機構 大洗研にある材料試験炉の廃止申請

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)は18日、原子力規制委員会に、大洗町成田町の大洗研究所にある材料試験炉「JMTR」の廃止措置計画の認可申請を行った。廃止措置に要する費用は約180億円。約20年の全体工程を4段階に分けて実施する予定。
 廃止措置計画では、認可後から2027年までを解体準備の第1段階と位置付け、原子炉の機能停止措置や核燃料物質の譲り渡し、汚染状況調査など実施。28〜39年が第2〜4段階となり、第2段階で原子炉周辺設備の解体撤去、第3段階で原子炉本体の解体撤去、第4段階で管理区域を解除する。
 施設の解体撤去に伴い、炉心部や冷却水の配管など低レベル放射性廃棄物約2260トンが発生する予定。
 JMTRは1968年に初臨界。「原子炉を造るための原子炉」と呼ばれ、原発に使われる核燃料や材料に中性子を当て、その耐久性や適正を調べる試験に活用された。2006年の運転終了後、再稼働を目指して約60億円を投じた改修工事を11年3月までに終えたが、老朽化が進む施設を福島第1原発事故後に厳格化された新規制基準に適合させるための耐震補強などに約400億円の多額の費用と年数がかかることから、17年の施設中長期計画で廃止施設決定した。
 施設中長期計画では、JMTRを含め、原子力機構が所有する施設の約半分が廃止措置施設として登録されている。
 JMTRでは9日、台風15号の影響で冷却塔が倒壊したが、廃止措置申請への影響はなかったという。 (三次豪)
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