[2022_07_13_06]原告側「役員の責任追及できた」 東電株主代表訴訟(産経新聞2022年7月13日)
 
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原告側「役員の責任追及できた」 東電株主代表訴訟

 2022/7/13 21:39 7/13(水) 21:39
 東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟で東京地裁が13日、13兆円余りを東電に支払うよう東電の元トップら4人に命じた。提訴から10年。原告らは「事故で追い詰められた人々に喜んでもらえる判決になった」と納得の表情を浮かべた。「原発事故が起きれば、役員が個人的に賠償する重い責任があることを突き付けられた」判決後に記者会見した原告側代理人の河合弘之弁護士は、当時の経営トップまで賠償責任が認められた地裁の判断についてこう評価し、「担当役員任せではなく、細かく情報をとって指示をしないといけないということ。非常に重要な意味があり、警告になる」と述べた。
 避難者による集団訴訟では最高裁が今年6月、適切な措置を講じても事故は避けられなかったとして、国の責任を認めない判決を出していたが、河合弁護士は「(今回の地裁判決は)最高裁判決を根底から覆すものだ」と話した。
 今回、賠償責任が認められた旧経営陣4人のうち、勝俣氏ら3人は、業務上過失致死傷罪で強制起訴され、1審は無罪に。来年1月に東京高裁で控訴審判決が言い渡される予定となっている。
 今回の株主代表訴訟で原告側が提出した証拠は、刑事裁判でも使われている。原告側代理人の海渡雄一弁護士は、今回の判決を踏まえ「上申書を作ることになると思う」と話し、刑事裁判にも影響が及ぶ可能性を示唆した。
 「何度もくじけそうになったが、原発事故を起こした旧経営陣の社会的責任を追及することができた」。原告の一人、木村結(ゆい)さん(70)は、長年にわたる裁判を振り返り、顔をほころばせた。(松崎翼)
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