[2024_03_25_02]柏崎刈羽原発の再稼働は絶対にさせない 目先のわずかな補助金、交付金に釣られて 生命と地域を失わないよう願う 東京電力福島第一原発事故から、13年が過ぎた 3月11日(月)東京電力本店合同抗議集会で発言 菅井益郎(柏崎巻原発に反対する在京者の会)(たんぽぽ2024年3月25日)
 
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柏崎刈羽原発の再稼働は絶対にさせない 目先のわずかな補助金、交付金に釣られて 生命と地域を失わないよう願う 東京電力福島第一原発事故から、13年が過ぎた 3月11日(月)東京電力本店合同抗議集会で発言 菅井益郎(柏崎巻原発に反対する在京者の会)

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 ◎東電柏崎刈羽原発は世界最大=7基が集中立地

 柏崎刈羽原発は420万平方キロの砂丘上の2ヶ所に110万kW4基、110万kW1基と135.6万kW2基がある。地盤の悪さは地元の人なら誰でも知っている砂丘で、その下の西山層は風化しやすい泥岩層である。
 それで地元では「豆腐の上の原発」と称されている。この地域はかつて西山油田があった活褶曲(しゅうきょく)地帯で現在も動いているし、敷地内にも活断層が何本も走っている。
 さらに2007年7月に発生した中越沖地震は沖合の海底の活断層が震源となったのであるが、音波探査による事前の断層の調査解析がきわめて過小評価だったために「想定外」の揺れになったのである。
 その後の解析も沖合の佐渡海盆東縁断層は過小評価のままである。
 素人目に見てもこんな軟弱地盤の上に危険な原発を集中的に建てるなんてとんでもない。
 6、7号機はあまりに地盤が悪いので鉄筋コンクリ−ト人工岩盤を作ったが、しかしその下の岩盤は動いているのである。

 ◎地元住民の反対の声を踏みつけて建設

 原発計画が公式に発表されたのは1969年、地元ではその前年から反対運動が盛んになり、1972年には用地を囲む荒浜、宮川、刈羽は町内会長を反対派が占め、7月荒浜では1戸1票の住民投票を実施、反対76%、賛成12%と原発反対派が圧勝した。実に感動的出来事であった。
 それから数年各集落は分断され、土地も漁業権も買収された。
 反対派の不当逮捕、許認可取消訴訟や入会権訴訟、核燃料搬入阻止などの闘いは続くが、1986年当初計画より10年遅れて1号機が、1997年7号機が完成した。
 しかし2001から2002年、東電の事故隠しが発覚し全機停止となる。
 さらに2007年7月中越沖地震(M6.7)が発生、刈羽村や柏崎市内の被害も大きく3号機の変圧器火災の映像は人々を震撼させた。道路は大渋滞し消防車の到着も遅れた。
 敷地内は大きく波打ち、機器の故障は3000ヶ所に上った。後に柏崎刈羽原発の再稼働整備費は1兆2千億円に上ると発表された。
 柏崎刈羽原発の再稼働を優先し、福島第一原発の津波対策を先送りしたとすれば東電幹部の経営判断の誤りの代償はあまりに大きい。
 柏崎刈羽は、2から4号機を除く4基は修理不十分なまま再稼働したが、3・11福島第一原発事故により全機停止し、現在に至っている。

 ◎能登半島地震を顧みることなく再稼働に前のめりの商工業者と行政

 柏崎市議会と刈羽村議会は新規制基準による審査が始まるや早くも2015年には早期再稼働の請願を採択、東電や国への働きかけを強めた。
 彼らには福島第一原発事故などなかったかのようだ。
 2017年12月、原子力規制委員会は新基準に適合と結論、福島第一原発事故を起こした東電の運転資格についても適合とした。
 ところが規制委は一度東電に運転資格ありと判断したもののID不正使用問題に典型的に現れた管理体制の不備を構造的なものと指摘し、2021年4月実質上の運転禁止命令を下した。
 岸田政権は原発政策を大転換し原発再稼働を推進、原子力規制委は運転禁止命令から2年半後の2023年12月27日命令を解除した。
 だが5日後の1月1日能登半島地震(M7.6)が発生し、道路の寸断や港の隆起が各所で起こり、避難も救援も容易でないことがわかる。
 地震と津波、過酷事故時の避難は各地の再稼働でもっとも重要な問題(原発の安全性の第5層)となっている。
 柏崎でも2022年12月の大雪で避難路の国道も高速道路も主要地方道もすべて止まった。「再稼働すれば柏崎は活性化する、経済的に豊かになる」と単純に思い込んでいる商工業者は「早期再稼働を求める請願」を市議会に提出、市議会特別委は賛成14、反対5で採択した。3月の本会議で採決するという。
 何と愚かしいことだ!
 せめて直近で起こった能登半島地震・津波や2022年の大雪被害を教訓にして欲しいものである。
 目先のわずかな補助金、交付金に釣られて生命と地域を失わないよう願うのみである。
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