[2024_04_01_03]能登半島地震で地盤が隆起 志賀原発周辺を歩いて確かめてみると…ノリ島で異変が起きていた(東京新聞2024年4月1日)
 
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能登半島地震で地盤が隆起 志賀原発周辺を歩いて確かめてみると…ノリ島で異変が起きていた

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 元日に起きた能登半島地震の特徴は、最大約4メートルに及ぶ隆起。各地の漁港で海底が露出し、船が出せない状況となっている。再稼働を目指す北陸電力志賀原発(石川県志賀町)のすぐ近くでも、岩ノリを育成するため岩の間をコンクリートで固めた「ノリ島」が、隆起によって波のかぶりが悪化していることが確認できた。志賀原発は長いトンネルで冷却用の海水を引き込むが、この独特の構造が弱点でもある。周辺を歩いた様子を報告する。(取材・渡辺聖子、片山夏子、構成・山川剛史)

 地元の住民から、志賀原発近くのノリ島も隆起したと聞き現場に向かった。福浦港(ふくらこう)の沿道に車を止め、生い茂る草木に囲まれた急な階段を恐る恐る下りた。
 岩場には、ハングルが書かれた無数のプラスチックごみが打ち上げられ、数多くのガラス片が散らばる。ジャリジャリと踏み進んでいくと、海岸線から突き出した原発専用の運搬路と物揚げ場、防波堤が間近に見えた。
 原発に近い所では、約8キロ北の領家漁港周辺で隆起したことが専門家の調査で確認されている。
 物揚げ場まで1キロも離れていない地点では、ノリ島が海面から遠くなり、波がほぼかぶらない状態になっていた。取材は満潮より海面が8センチほど低い時間帯。地元住民は「数十センチは隆起した。ノリの出来が心配」と話した。
 志賀原発は、長い海底トンネルによる取水・放水で冷却している。今回の地震による原発内の隆起はどうなのか、今後も長期にわたって大丈夫なのか。
 北陸電は3月25日、敷地内を測量した結果、物揚げ場が約4センチ沈下していたと公表。「発電所に影響はない」としている。
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