[2024_02_28_02]能登半島地震を教訓に、伊方原発を廃炉に!! 南海トラフ巨大地震、中央構造線由来の巨大地震の起こる前に伊方原発の廃炉を 井出久司(原発さよなら四国ネットワーク・環瀬戸内海会議幹事)(たんぽぽ2024年2月28日)
 
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能登半島地震を教訓に、伊方原発を廃炉に!! 南海トラフ巨大地震、中央構造線由来の巨大地震の起こる前に伊方原発の廃炉を 井出久司(原発さよなら四国ネットワーク・環瀬戸内海会議幹事)

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◎ 原発さよなら四国ネットワークの一員として活動し、主に各地の原発現地の抗議行動に出掛けている者として、今回の能登半島群発大地震は背筋の凍る思いでしかない。
 なぜなら志賀原発の地元が震源だったからだ。
 まずは原発事故を伴わないだろうか?と思わずには居られなかった。

◎ 次いで報道で見る道路の悲惨な有り様は熊本地震の現地を思い起こし、津波の様子は東日本大震災の時を思い出した。
 ただそれ以上に怖かったのは大規模な地殻の隆起だ。
 たまたま志賀原発はそれを免れたが、もし志賀原発でも4mもの隆起が起きていたら、と思うと震えが止まらない。

◎ 原発で一番怖いのは外部電源の喪失と核燃料の冷却水の取り入れが止まることだろう。
 日本海側の潮汐の変化=干満差は瀬戸内海と比べると約10分の1。
 もちろん大潮時のことである。よって例えば高浜原発の取水口はほぼ普段の海水面である。
 瀬戸内海に面した伊方原発では違うだろうが、日本海側の原発では取水口の海水面からの高さはそう変わらないだろうと推測する。そこに4mの隆起が起きたら結果は語らずとも明らかで、原発爆発という道を辿ったことだろう。

◎ 瀬戸内海に面した伊方原発、日本一長い佐田岬半島のほぼ付け根に存在する。
 佐田岬半島もまた能登半島同様険しい地形だ。
 地質も深成岩の緑色変岩で、これは地下約8000mでできた岩石が地表にまで出てきているもので、この地域が地殻変動の激しい地域であることの証拠である。

◎ さらには言うまでもなく日本一長い活断層、中央構造線の真上に存在し、また南海トラフ巨大地震の予想震源域でもある。
 ここでは隆起ではなく逆に陥没沈降したならば原発自体が瀬戸内海に沈没するだろう。
 外部電源についても、バックアップの火力発電所の多くは太平洋岸で送電網は中央構造線に沿って伸びており巨大地震に耐えうるとは到底考えられない。

◎ 最後に伊方原発は世界にほとんど類を見ない内海に面した原発であり、その内海は世界にほとんど類を見ない生物多様性と生物生産力を誇る瀬戸内海である。
 もしここで事故を起こせばどうなるのか、語らずとも明らかだ。
 そしてその被害は福島事故(※)の比ではなく、回復もまたほとんど不可能であろう。

◎ 被災者の避難も救助も険しい地形の前にはほとんど不可能、閉鎖性海域の汚染は甚大、その回復はほぼ不可能。
 これは伊方原発だけのことではないが、伊方原発の立地条件を考えれば他に類を見ない困難を伴う、ということは絶えず頭に留めておかねばならない、ということである。
 南海トラフ巨大地震、中央構造線由来の巨大地震の起こる前に伊方原発の廃炉を勝ち取っておかねばならないことを忘れてはならないと思う。

〔瀬戸内トラストニュース82-15(2024.2.10刊)、発行:「環瀬戸内海会議」より了承を得て転載〕
「環瀬戸内海会議」HP

(※)事故情報編集部より
  福島事故=東電福島第一原発事故
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