[2024_04_08_06]【地震情報】宮崎県日南市で震度5弱 津波なし M5.1(NHK2024年4月8日)
 
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【地震情報】宮崎県日南市で震度5弱 津波なし M5.1

 12:14
 8日午前、宮崎県日南市で震度5弱の揺れを観測する地震がありました。この地震による津波はなく、気象庁は揺れの強かった地域では、今後1週間ほどは最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。
 午前10時25分ごろに発生した地震では震度5弱の揺れを宮崎県日南市で観測し、震度4の揺れを宮崎県の串間市、鹿児島県の大崎町、錦江町で観測しました。また、震度3の揺れを宮崎市、都城市、三股町、高原町。鹿児島県の鹿児島市、鹿屋市、垂水市、霧島市、南さつま市、志布志市、姶良市、東串良町、南大隅町、肝付町で観測しました。このほか震度2から1の揺れを九州の広い範囲で観測しました。
 この地震による津波はありませんでした。
 気象庁の観測によりますと、震源地は鹿児島県の大隅半島東方沖で震源の深さは39キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.1と推定されています。
 宮崎県で震度5弱の揺れを観測したのは、おととし10月2日に起きたマグニチュード5.9の地震以来で、この時も震源は大隅半島東方沖で、日南市で震度5弱の揺れを観測しています。
 気象庁は、揺れの強かった地域では落石や崖崩れなどが起こりやすくなっているおそれがあるとした上で、今後1週間ほどは最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

 [鉄道]日南線に遅れ 九州新幹線は平常通りの運行

 JR九州によりますと今回の地震で宮崎県内を走る日南線で遅れが出ているということですが、新幹線やそれ以外の鉄道の運行に影響は出ていないということです。

 震度5弱 日南市役所職員「ドンッと衝撃 その後10秒ほど横揺れ 」

 震度5弱の揺れを観測した宮崎県日南市役所の危機管理室の職員は「ドンッと衝撃が来て、そのあと10秒ほど横揺れが続いた。棚から物が落ちることはなかった」と話しています。市は現在、情報を収集をしているということです。
 また、日南市の消防本部によりますと、これまでのところ被害の情報は入っておらず、状況を確認中だということです。応対した職員は「10秒程度の強い横揺れを感じたが建物内に目立った被害はなかった」と話していました。

 宮崎県で震度5弱観測の地震はおととし10月以来

 気象庁によりますと、宮崎県で震度5弱の揺れを観測したのは、おととし10月2日の大隅半島東方沖付近を震源とするマグニチュード5.9の地震以来です。この時も日南市で震度5弱の揺れを観測しています。

 宮崎 鹿児島 両県内とも「被害情報なし」

 震度5弱から震度3を観測した日南市と串間市、それに宮崎市、都城市、三股町、高原町の警察や消防によりますと午前11時45分現在、地震による被害の情報は入っていないということです。
 鹿児島県災害対策課によりますと、午前11時50分現在、この地震による被害の情報は入っていないということです。

 専門家「震源は南海トラフ地震想定震源域の外」

 南海トラフの巨大地震について国は想定される震源域を駿河湾から日向灘にかけてとしていますが、気象庁によりますと今回の地震は想定震源域の外側で発生したということです。南海トラフの想定震源域でマグニチュード6.8以上の地震が発生した際などには、気象庁が臨時情報を発表して今後の巨大地震の発生の可能性を調査することになっていますが、今回は地震の規模が小さいうえ、震源の位置も異なるため対象にはなりません
 今回の地震について、政府の地震調査委員会の委員長で東京大学の平田直名誉教授は「大隅半島の東方沖は過去にも震度5弱程度の揺れを伴う地震が起きている場所で今後数日間、特に2、3日ほどは同じ程度の規模の地震に注意してほしい」と述べました。その上で「今回の地震の震源は南海トラフ地震で想定されている震源域には近いが、外側にあたる。地震の規模もそれほど大きくなく今回の地震そのものが想定される南海トラフ巨大地震には影響はないと考えている」と述べました。
 一方、今回の震源域の隣にあたる日向灘では、過去にマグニチュード7クラスの大地震が繰り返し発生し被害も出ています。昭和43年(1968年)にはマグニチュード7.5の地震が発生し、四国で最大3メートルを超える津波が観測されました。昭和59年(1984年)にはマグニチュード7.1の地震が平成8年(1996年)にはマグニチュード6.9の地震がそれぞれ発生しています。最近では2019年5月にマグニチュード6.3の地震が起き宮崎市などで震度5弱の揺れを観測したほか、おととし1月にもマグニチュード6.6の地震が発生して宮崎県や大分県で最大震度5強の揺れを観測しています。
 政府の地震調査研究推進本部は、今後、30年以内に日向灘でマグニチュード7から7.5程度の地震が起きる確率について80%程度と想定しています。
 地震や津波のメカニズムに詳しい東京大学地震研究所の佐竹健治特別研究員は「今回の地震が直接さらに大きな地震に影響を与えるかは現時点では分からないが、過去にマグニチュード7クラスの地震が起きている地域なので改めて揺れや津波への備えを確認する機会にしてほしい」と話しています。

 [原発]震度2 薩摩川内市の川内原発「異常なし」

 原子力規制庁によりますと、鹿児島県薩摩川内市にある川内原子力発電所では1号機と2号機が運転中で、これまでのところ地震による異常は確認されていないということです。周辺の放射線量を測定するモニタリングポストの値にも変化はないということです。今回の地震で、薩摩川内市では震度2の揺れを観測しています。

 政府 情報連絡室を設置

 この地震を受けて政府は、午前10時27分に総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、被害の確認などにあたっています。

 官房長官「引き続き情報収集」

 林官房長官は午前の記者会見で「人的被害やライフライン関係について引き続き関係省庁で情報収集を行っている。現在のところ、原子力施設で異常があったとの報告は受けていない」と述べました。その上で「揺れの強かった地域では自治体による避難情報のほか、テレビ、ラジオ、インターネットなどの情報にも 注意しつつ行動してほしい」と述べました。
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