| [2026_01_20_03]柏崎刈羽原発:制御棒引き抜き検査で2万ペア中0.4%の設定誤りに30年で初当たり(まさのあつこ2026年1月20日) |
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15:47 2026年1月20日に予定されていた柏崎刈羽原発6号機の再稼働が延びた。 17日、「制御棒引き抜き試験」で鳴るべき警報が鳴らならなかったと発表。 18日に「設定に誤り」があったので、設定を見直して「運転上の制限の逸脱」から復帰したと発表した。たった1、2日の延期だと東京電力は言うが、本当にそれでいいのか。 「誤った設定は30年前から」? 翌19日の発表資料と臨時会見(動画)では「誤った設定は30年前からだった」こと以外はわからない。今朝、東京本社の原子力報道グループに電話取材で分かったのが以下の通り。箇条書きにする。 そもそも論と引き抜き検査 ・原子炉の中には燃料集合体(燃料棒)同士が近接して核反応が起きないように、制御棒が205本入っている。 ・制御棒を動かす装置1回の動作で、2つの制御棒を動かすことができる。 ・2本1組でペアになっている制御棒は、互いに近すぎないところの制御棒との組み合わせとし、数式を用いて設定している。 ・制御棒同士が近い(ところで引き抜く)と、核分裂の反応が早まる。 ・遠くの制御棒を一緒に引き抜いた方が、より均等な核分裂反応となる。 ・制御棒を引き抜いていくと原子炉を起動することになる。 ・引き抜き検査は、起動させていないときに行う。 今回の誤り ・組み合わせの数は、制御棒が全部で205本あるので、1本につき204組ある。205×204=約4万だが、重複する組み合わせ(AとB、BとAなど)を排除するために2で割ると、約2万ペアあることになる。 ・より遠くに設定した本来のペアとは違う近いところを引き抜いたら警報が鳴るはず(の試験)だった。ところが今回は鳴らなかった。 ・設定が間違っていたことがわかった。 ・そこで全数(約2万ペア)を調査してみたら、今回のものだけではなく、全部で88のペアが間違っていることがわかった。88については正しく設定をし直した。 ・現在は、引き抜き操作をしながら、正しく設定できたかを確認しているので、1、2日はかかる。 全数調査したことなく、30年で初めて0.4%の誤りに大当たり ここからは広報と私とでかわしたQ&Aを整理していく。 Q:会見で、設定したのは30年前だったと。本当? A:設定誤りは新設の時からで、6号機の営業運転は1996年なので30年。 Q:これまで点検したことがなかったこと? A:点検はやってきたが、そこでは検出されなかった。 Q:点検したのに検出されなかったのは、実は点検してなかったってこと? A:設定が誤っていた88の組み合わせは、約2万組の約0.4%。これまでの検査で見つからなかったが、今回の検査にあたって初めて見つかった。 Q:つまり、これまで全数検査はしていなくて、サンプル検査だった。これまでは、たまたま99.6%の方を検査していた。今回、初めて0.4%に大当たりしたと。 A:そうです。 なんだかロシアンルーレットみたいだ(そんなルーレットはロシアにはないと聞いたことがあるが)。 東芝が30年前に設定 ちなみに、日経新聞(柏崎刈羽原発、20日の再稼働延期 制御棒不具合の安全確認に「1〜2日」)に「警報はメーカーがプラント建設時に設定していた」とあった。 メーカーとはどこかと聞くと「設定のプログラミングは東芝です」と教えてくれた。 原子力規制行政はどう見るのか 東芝は海外の原発建設からは撤退したが、原子力事業は今でも続けている。福島第一原発の事故収束作業にも従事している。これは、30年にして、東芝の実力をかいま見ている事件でもあることになる。 2つの疑問が浮かぶ。 事故が起きたときのメーカーの責任は? 原子力行政は福島第一原発事故の責任を東電と国民に負わせてきたが、メーカーの責任を一切問わないまま今日に至っている。今後もそれでいいのか。 全数検査をしない原発プラント そして、もう一つ、原発の心臓部で行う検査について、2万の組み合わせの全数検査を30年間、東京電力が、一度たりともやっていないことについて、原子力規制行政はどう見るのか? 原則40年の原発の運転期間を延ばす政策転換をした際、10年ごとに「長期施設管理計画」で原子力規制委員会の認可を受けることになったが、原発の部品は約1,000万あると言われ、その安全性を担保する全数検査は義務付けていない。施設管理計画ができていればそれでいいのだ。 今回は、たまたま検査の設定が間違っていたという発表だが、それを信じていいのか。信じたとして、30年にわたるこのような見落としによる重大事故が起きえないのか、立ち止まるべきではないのか。 【タイトル画像】 読んでもサッパリ理解できなかった資料「6号機 原子炉停止中の制御棒1本の引き抜きによる運転上の制限の逸脱について」(2026年1月19日 東京電力ホールディングス株式会社 柏崎刈羽原子力発電所)P 2より |
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