[2019_12_21_02]福島第1原発事故、独立機関での再調査を 自然エネ推進連盟が国に要請へ(毎日新聞2019年12月21日)
 
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福島第1原発事故、独立機関での再調査を 自然エネ推進連盟が国に要請へ

 東京電力福島第1原発事故を再調査するため、独立調査委員会の設置を――。小泉純一郎元首相らが顧問を務める民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が20日、東京都内で記者会見し、独立した調査委員会で事故を再調査するよう国会に要請していくことを明らかにした。事故直後に原因などを調べた国会事故調査委員会のような組織の設置を求める。
 2011年3月の事故後、さまざまな事故調査委員会が発足。国会事故調は憲政史で初めての国会による独立した調査機関で、調査報告で「規制当局は電気事業者のとりこになっていた」と指摘した。
 このほか政府事故調査・検証委員会は、東電や政府に「複合的な問題があった」、東電の社内調査委員会は「原子力関係者全体が想定を大幅に上回る事象を想定できなかった」とした。
 いずれの調査委も事故直後は建屋内などの線量が高くて直接調べることができず、原因に関しては不明な点も残っている。このため原子力規制委員会は今年10月、事故原因などを分析する検討会を約5年ぶりに再開。原子炉から放出された放射性物質の状況などに加え、当時の運転員の訓練体制も調べて安全規制に生かすとしている。
 しかし推進連盟によると、規制委の事務局を務める原子力規制庁は行政側の職員のため、調査には限界があるという。この日の会見にオブザーバーとして同席した黒川清・元国会事故調委員長は「原発事故を受け、行政の信頼は落ちている。立法と行政、司法の三権分立に照らせば、行政をチェックする国会で調べて、同じことを繰り返さないことが大事」と述べた。
 推進連盟の副会長を務める中川秀直・元自民党幹事長は「国民の不信に向き合う対応ができるよう、党派を超えて国会議員に呼びかけたい」と話した。【奥山智己】

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