[2019_10_11_01]金品問題、告発後に昇格 社長宛てに文書 関電、多額受領の3人(東京新聞2019年10月11日)
 
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金品問題、告発後に昇格 社長宛てに文書 関電、多額受領の3人

 関西電力役員らの金品受領問題で三〜六月、三回にわたり関電の岩根茂樹社長宛てに問題を追及する告発文書が届いていたことが、関電への取材で分かった。文書は人事の刷新を求める内容だったが、関電は六月に多額の金品を受け取った三人の役職を昇格させた。問題の公表も見送っており、企業統治の甘さが改めて浮き彫りになった。
 関電によると、岩根社長も文書を確認していた。対応を取らなかった理由について関電は「既に社内調査を終え、八木誠前会長(九日付で辞任)らの処分も済んでいた」としている。関電は昨年七月、調査委員会を設置。同九月に報告書を取りまとめていた。
 一連の文書の発信元は同一とみられる。反原発運動をしている福井県の市民団体にも六月に一括して届いていた。
 三月十日付の文書は「原子力事業本部における一連の不祥事」を批判。金品を提供していた福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)や、森山氏に三億円を流していた建設会社「吉田開発」(同町)の名前を挙げ「利益供与された金が、八木会長をはじめとする会社幹部に還流されていた」と記している。
 六月に株主総会を控えていることに触れ「決まっている幹部人事は、それまでに見直しをすること」と要請していた。
 一方、関電は四月二十五日、役員人事を発表。四千六十万円相当を受領していた森中郁雄氏を常務執行役員から副社長に昇格させ、最多の一億二千三百六十七万円相当の鈴木聡氏、七百二十万円相当の大塚茂樹氏を、それぞれ執行役員から常務執行役員とする内容だった。岩根社長宛ての告発文書は四月と六月にも関電に届いた。
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