[2019_10_04_04]関電の金品受領問題、独禁法違反に関し立件も…弁護士・郷原氏が今後の捜査期待(スポーツ報知2019年10月4日)
 
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関電の金品受領問題、独禁法違反に関し立件も…弁護士・郷原氏が今後の捜査期待

 関西電力の役員ら20人が、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(今年3月に90歳で死亡)から金品を受領していた問題で、うち3人が原発関連工事などを受注していた同町の業者などから金品を直接受け取っていたことが3日、関電への取材で分かった。受け取った計390万円の金品のうち250万円相当はスーツの仕立券で、一部は既に使用されており、返却されていない。仕立券は受け取る側の心理的抵抗が少ないとされており、過去の贈収賄事件でも多用されていることから、関係者は注目をしている。

 今後、関電の金品受領問題が事件として立件される可能性はあるのだろうか。

 公務員が職務に関する賄賂として金品を受け取った場合、刑法の収賄罪に問われる。関電は公共性は高いものの民間企業のため同罪は適用されないが、会社法では株式会社の取締役など幹部のみに適用される「取締役等贈収賄罪」も規定されている。元東京地検検事で弁護士の郷原信郎氏は「罪に問われる可能性がないとは必ずしも言えない」と指摘する。
 立件するためには、森山氏から関電側に「不正の請託(不正行為を依頼すること)」があったかどうかを立証する必要があるが、森山氏は死亡しており、贈賄側の供述は得られない。過去、同罪の適用例が極めて少ないこともあり立証は難しい。
 しかし、郷原氏は関電や吉田開発が共謀して原発マネーを環流させていた疑惑に着目し「独占禁止法違反が関わってくれば、主体が(森山氏から吉田開発に)変わる。となると、贈収賄罪にも関わる可能性がある」と指摘する。「大阪地検が調べなきゃいけないところでしょう」と今後の捜査に期待を寄せた。
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