[2019_09_30_09]JCO臨界事故20年 東海でデモ行進(茨城新聞2019年9月30日)
 
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JCO臨界事故20年 東海でデモ行進

 日本初の被ばく死亡事故となった東海村のJCO臨界事故から30日で20年を迎えることに合わせ、同村内各地で29日、市民団体によるデモ行進や集会が行われた。参加者たちは「原子力事故を繰り返すな」「事故を風化させてはいけない」などと声を張り上げた。
 村内で「JCO臨界事故20周年集会」とデモ行進を実施したのは、茨城平和擁護県民会議や臨界事故を語り継ぐ会など五つの市民団体。「JCO臨界事故を忘れないぞ」「子どもたちの命を守れ」などと声を上げながら一行は練り歩いた。同会事務局の相沢一正さんは「20年たっても原子力事故の対策は何もない。東海第2原発の再稼働も止めなければいけない」と話した。
 同村舟石川駅東の村産業・情報プラザでは「第20回茨城集会」(同実行委員会主催)が開かれた。まず参加者が、事故で亡くなった大内久さんと篠原理人さんに対して黙とう。当時村長だった村上達也さんが講演し、事故当時を振り返り「事故検証は2カ月でふたをされ、経験として生かされていない」と語り「国策を止めるのは大変。福島第一原発事故以降、日本はずっと『頑張ろう』だ。もう少し実態を見て判断しなければいけない」と訴えた。
 JCO臨界事故は、1999年9月30日、東海村のJCO東海事業所で発生した原子力災害。転換試験棟で核燃料製造の際、大量のウラン溶液を沈殿槽に投入した結果、核分裂が継続する臨界状態が約20時間続いた。現場で作業していた社員3人が大量被ばくし、うち2人が急性放射線症で死亡。救助活動をした消防隊員や周辺住民ら約660人も被ばくした。(三次豪)
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