[2019_09_29_04]関電会長、06〜10年に受領 金品問題 社長説明と矛盾(東京新聞2019年9月29日)
 
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関電会長、06〜10年に受領 金品問題 社長説明と矛盾

 関西電力役員らが関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から金品を受領していた問題で、八木誠会長(69)が二十八日、共同通信の取材に応じ、自らが受領した時期について、二〇〇六〜一〇年だと明らかにした。
 二十七日の記者会見で二十人が一一年二月〜一八年二月に約三億二千万円相当を受け取ったとした岩根茂樹社長(66)の説明と矛盾する内容。八木会長は説明が不十分だったと認め、近く記者会見を開く方針だとし、社内調査報告書の開示を検討する考えも示した。
 八木会長は、提供があったのは原子力事業本部に在籍した〇六年六月〜一〇年六月ごろだとし「常識を超える物品を持ってこられ、当然お断りしたが、時には激高された」ため、返せなかったと説明。同月に社長になって以降は「一切もらっていない」としたが、以前に受領した物品は会長時代まで預かっていたという。
 受領時期が岩根社長の説明と食い違う理由については「一一年から一八年と発表したが、その期間にいた人を対象としたもので、物品をもらった時期はずれる」と釈明した。調査対象の期間を一一年二月以降と区切った点には「詳しい経緯は分からない。社外弁護士が期間を決めた」と述べた。
 また、八木会長は二十八日夜、報道陣の取材に対し社内調査を取締役会に報告していなかったことを明らかにした。
 この問題では、関電の原発関連工事を請け負う高浜町の建設会社から森山氏へ約三億円が流れ、さらに森山氏から関電役員らに金品が渡っていることが金沢国税局の税務調査で判明した。建設会社は一九八一年設立の「吉田開発」。信用調査会社によると、二〇一三年八月期の売上高は三億五千万円だったが、一八年八月期には二十一億円を超え、五年で約六倍に伸ばしていた。

◆「社長就任以降もらわず」 関電・八木会長一問一答

 共同通信の取材に応じた関西電力の八木誠会長の主な一問一答は次の通り。

 −森山栄治氏から物品を受け取ったのはいつごろか。
 「原子力事業本部に在籍していた二〇〇六〜一〇年に物品を受け取り、お預かりしていた。常識を超える物品を持ってこられ、当然お断りしたが、時に激高された。社長になって以降は一切もらっていない」

 −社内調査の対象期間は一一〜一八年だったのでは。
 「一一〜一八年の間の役員経験者と原子力事業本部に在籍していた社員を対象にした。物品をもらった時期はずれる。(二十七日の)会見の説明では国民の皆さまにご理解いただくためには説明が不十分だった。整理して近く改めて会見を開き、説明する場を設けたい」

 −社内調査の報告書を公開しないのか。
 「ある程度開示しないと理解されないと考えている。全部は難しいが、開示していかないといけないと思っている」

 −調査期間を広げないのか。
 「幅を広げて調査することを検討するが、それ以前の調査は辞めている人もおり難しい」

 −豊松秀己元副社長が受け取った額が最も多いと言われる。
 「原子力事業本部在籍期間が長く、お会いする頻度は高かっただろう」
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