[2019_09_05_01]東海第二「リスク高い」 再稼働反対の有識者招き、那珂市議と市民が勉強会(東京新聞2019年9月5日)
 
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東海第二「リスク高い」 再稼働反対の有識者招き、那珂市議と市民が勉強会

 東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の30キロ圏に入り、再稼働の際に同意が必要な那珂市の市議会が4日、再稼働の是非を判断する参考にしようと、市役所で勉強会を開き、議員や市民が原発のリスクについて再稼働反対の有識者から話を聞いた。今後、推進派の意見も聞くとしている。 (松村真一郎)
 この日の勉強会には全議員の十八人が出席。元東芝の原発設計技術者の後藤政志さんが再稼働反対の立場から、原子炉格納容器の構造や安全性について説明した。東海第二原発は、事故を起こした東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉で、「極めてリスクが高いのが明らかだ」と強調した。
 東海第二原発の特徴として、格納容器の下部にプールがあり、事故時に水蒸気爆発が起こる危険性が高いとも述べた。
 福島のような事故は二度と起こしてはいけないとして、「議員の皆さんは、再稼働について本気で考えなければならない」と語り掛けた。
 出席した議員からは「安全と言える原発はあるのか」「福島のような事故はどうしたら防げるか」などの質問があり、後藤さんは「格納容器が壊れることを考えるとない」「将来的には何が起こるか分からず、これをやれば防げるというのは無理な話だと思う」と答えた。
 今年二月に、原電が再稼働の意向を示したことを受けて、市議会は五月に福島第一原発を視察。再稼働の是非を判断する際の参考にするため、推進派と反対派の双方から話を聞こうと、市民にも公開する形で勉強会を企画した。十八日には、推進の立場から東京工業大の沢田哲生助教を呼んで開く。
 再稼働の是非について、先崎光市長は明言していないが、原電から問われた際に、市議会が再稼働をどう考えるかを重視するとみられる。
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