[2019_08_11_02]原発ハンビッ1号機事故、「人的ミス」と最終結論(ハンギョレ新聞2019年8月11日)
 
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原発ハンビッ1号機事故、「人的ミス」と最終結論

原安委「熱出力急増」事故に関して 「人的ミス」…最終調査の結果発表 原発の主制御室に映像監視システムなど設置 無免許の該当職員には起訴意見で送検 管理監督責任者は処罰をまぬがれ“論争”
 5月、試験稼動中に熱出力が急に上がり、手動停止した原発ハンビッ1号機の事故について、原子力安全委員会(原安委)が最終調査結果とともに再発防止対策を打ち出した。原安委は、事故当時出力が基準値を超えて急増したのは、運転者の操作の未熟さなど人的ミスが主な原因であると最終結論を下した。ただし、これを誘発させた韓国水力原子力などに対しては行政措置を、該当職員は起訴意見で検察に送致した。
 原安委は9日、第106回会議を開き、ハンビッ1号機事件特別調査結果と再発防止対策を含めた今後の処置計画を審議・議決したと発表した。三カ月近く行われた特別調査で、原安委は今回の事件を関連法令や手続き違反、運転者の操作の未熟さなど人的ミスが主な原因であると把握した。原安委は、原発の主制御室の閉鎖性と発電所の運転員に対する教育不足、安全を最優先とする組織文化の欠如、原安委の現場対応能力不足の4点を主な原因に挙げた。主な対策としては、人的ミスを客観的に確認できるよう、原発の主制御室に映像監視システム(CCTV)を設置することにした。ハンビッ1号機は今年中に、全国の原発には2021年までにCCTVが設置される。無免許者が原子炉の運転をできないよう、関連法令の改正も推進される。
 ただし、原安委はハンビッ1号機の設備には異常がないと結論付けた。原安委は「事件発生当時、熱出力の急増で点検が必要だった核燃料はすべて健全であることが確認された」とし、「制御棒が瞬間固着された理由は、流動性浮遊物質(クラッド)によるもので、設備の欠陥によるものではないことを確認した」と説明した。
 人的ミスを誘発させた韓水原本社と発電所は、多数の安全関連手続き違反や発電所運営改善プログラム(CAP)の不十分な運用などの問題点が確認された。これに対し、原安委と韓水原は今月末までに再発防止対策の履行に向けた細部計画を立て、周期的に点検することにした。これとは別に、安全措置義務違反などに対する行政措置を原安委で議論することにした。しかし、原安委が免許のない無資格運転者の操作の未熟さなどで今回の事故が起こったと判断しながらも、管理監督責任者などに対する刑事処罰の意志を示しておらず、結局“手ぬるい処罰”にとどまるのではないかという指摘が出ている。
 ハンビッ1号機の熱出力暴騰事件に続き、先月24日にはハンビッ4号機で歴代最大規模の深さ157センチの空隙(すき間)がコンクリート防護壁で発見されたため、ハンビッ原発に対する霊光(ヨングァン)の住民たちの信頼は地に落ちている。閉鎖要求も出ており、ハンビッ1号機の再稼働決定の際、地域の反発が少なくないものとみられる。

ホン・デソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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