[2019_06_26_07]NHKスペシャル「黒い津波」を見れば現在の津波対策はまったく役に立たない 津波の底は土石流になっています 海水だけの圧力で設計した防潮堤が壊れるのは当然(田内雄司(地震学の間違いを公にする会会長)2019年6月26日)
 
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NHKスペシャル「黒い津波」を見れば現在の津波対策はまったく役に立たない 津波の底は土石流になっています 海水だけの圧力で設計した防潮堤が壊れるのは当然

◎ NHKスペシャル「黒い津波」を見れば、現在の津波対策はまったく役に立たないと分ります。
 防潮堤一つ満足に設計できません。岩手県宮古市の田老地区は、明治(1896年)、昭和(1933年)と続けて大津波による壊滅的被害を受け、「万里の長城」と呼ばれる長大な堤防を築きました。
 しかし、高さ10mの堤防は簡単に破壊されました。津波学者は原因を調査し、津波が防潮堤を超えたために、堤防の根元が洗堀されたためだと結論付けました。
 しかしNHKが手に入れた津波の黒い水を分析して初めてその真の原因が判りました。津波の水は海底のヘドロを含んで海水に比べて10%重くなっていました。
 津波の先端部分の圧力は普通の海水の2倍になりました。ヘドロを含んだ海水は底の抵抗が大きくて速度が遅くなり、上部は普通に進むため、後ろの波が上に乗り挙げて波が立ち上がる形で壁に衝突します。
 この現象から推定すると、実際の津波の底は土石流になっています。海水だけの圧力で設計した防潮堤が壊れるのは当然です。
 石垣島には1771年の明和の大津波、遡上高85mで海から運ばれた700トンの大岩が海岸から100mの陸上にあります。
 防潮堤は、この700トンの大岩を運んだ力に耐えなければ役には立ちません。気仙沼の入り口でいったんせき止められた津波は海底を削り、入り口を広げて一気に中に流れ込みました。黒い津波は気仙沼の海底を掘り下げて水深6mを13mに替えました。気仙沼全体では推計100万トン分の海底が削り取られています。津波の量はヘドロを含んで20%増加しました。
 この事はシュミレーションと言う手法が通用しないことを表しています。
 津波シュミレーションは沖合で発生した津波が海岸付近の地形や水深に影響されて替わる有様を計算して、その地点に到達する津波高さを予測します。
 しかし津波自身が海底の地形を変え、津波の量も20%増やしています。其の上、ヘドロを含んだ津波は、海水だけの津波より高くなります。それだけでもシュミレーションで出す津波高さは当てになりません。

◎ 其の上、シュミレーションに入れる津波の初期値がいい加減です。
 海底の断層が動いて津波を発生させます。
 発生した地震のマグニチュードMから、その地震を起こした断層の長さを推定します。その推定には松田の式や入倉・三宅の式、武村の式などの地震のMと活断層のサイズの回帰式を使います。
 しかし回帰式の答えは推定平均値です(統計学の公理)。回帰式の答えはA±αにある確率95%と表示する推定平均値です。±αを信頼区間と呼び、母平均が95%の確率で存在する範囲を示します。
 回帰式の答えはAという確定値ではないので、彼らの計算式では計算すること自体が不可能です。
 しかし彼らはAを使って計算します。彼らは過去の地震のデータの平均値で活断層のサイズを求めています。
 平均の活断層が起こす津波も平均高さです。其の上に断層のズレ方で津波に伝わる地震のエネルギーは激変します。
 断層が上下にスパッと急激に動けば大津波が発生します。其の上に崖崩れが起きればさらに大きな津波になります。
 しかし横ズレ断層であれば津波はあまり起きません。
 この様に、シュミレーションに入れる初期値が全くいい加減です。シュミレーションの結果の津波高さは全く信用できません。

◎ 国は津波高さの予測精度は2分の1から2倍と発表しています。彼らの数字を信じて10mの津波に耐える防潮堤を作れば、実際には20mの津波も来て殺されます。
 この数字を基に数兆円の投資をする専門家には呆れかえって言葉もありません。
 3・11は想定外ではありません。彼らの想定通りのことが現実に起きて18000人が殺されたのです。
 それに数百年もたねばならない防潮堤を、鉄筋コンクリートの様に経年劣化する材料で作って良いのかという問題があります。岩手県宮古市田老の防潮堤の材料の強度を調べておく必要があります。

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