[2012_02_09_04]NZビル倒壊「建築基準満たさず」 調査結果、強度不足など指摘(日経新聞2012年2月9日)
 
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NZビル倒壊「建築基準満たさず」 調査結果、強度不足など指摘

 【シドニー=柳迫勇人】昨年2月のニュージーランド・クライストチャーチ市の地震で、同国建築住宅庁は9日、日本人28人を含む多くの犠牲者を出したカンタベリーテレビ(CTV)ビルの倒壊原因について、ビルが建築基準を満たしていなかったと結論付けた技術調査報告書を公表した。
 ビル倒壊の主な要因として「激しい横揺れ」と「柱の弾力性と強度の欠如」「耐震壁の非対称の配置」の3つを挙げた。その上で、柱と耐震壁が「建築された1986年当時の基準を満たさないことが判明した」と指摘、東側の柱の破損が倒壊につながったとした。
 地震では184人が犠牲になり、同ビルでは日本人語学留学生らを含む115人が死亡。周辺のビルが倒壊を免れる中、CTVだけが倒壊した。構造上の欠陥が明らかになったことで、責任の所在を追及する遺族らの声が強まりそうだ。
 同庁と並び、同ビルの倒壊原因を調査している独立調査機関「王立委員会」は同庁の調査結果も踏まえた最終報告書を11月12日に提出する予定。
 同庁は当初、昨年7月にも調査結果をまとめる予定だったが、倒壊原因が複雑だったため、公表を遅らせて調査を継続していた。

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