[2012_12_24_01]大陸棚外縁「適切な調査を」 東通原発断層問題 渡辺教授(東洋大)会見 青森(東奥日報2012年12月24日)
 
 東北電力東通原発など全国各地の原発敷地内に活断層がある可能性を以前から指摘してきた東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)が26日、講演先の青森市内で会見を開いた。渡辺氏は、下北半島の太平洋沖合に南北に延びる「大陸棚外縁断層」が巨大地震を引き起こし、東通原発や日本原燃六ヶ所再処理工場などに被害を与える恐れをあらためて指摘、適切な調査の必要性を訴えた。
 原子力規制委員会の現地調査団は、今月に行った現地調査の結果、東通原発敷地内にある「F−3」「F−9」の両断層を「活断層の可能性が高い」と指摘している。調査団の評価に対し、渡辺氏は「F−3、F−9が独自に地震を起こすかというと若干懐疑的で、本体はやはり大陸棚外縁断層だと思う。大陸棚外縁断層が一番大きな断層で、大きく動いた時に土地が隆起して、そこにある古傷(F−3、F−9)が少し動いた可能性がある」と持論を述べた。
 大陸棚外縁断層については東北電力、日本原燃、リサイクル燃料貯蔵の3社が現在、合同で海上音波探査などの調査をしている。
 渡辺氏は「無駄な調査とは言わないが、音波探査で確実に活断層であると調べるのは難しい。断層そのものばかり見ているが、下北半島の細長い部分がどうして隆起しているのか。海底だけでなく陸上の段丘なども考えてほしい」と主張した。
 会見に先立って行った講演で渡辺氏は、現在になって活断層が注目されているのは「不適切な調査と、極めて不適切な審査があったことの裏返し」と述べ、これまでの国、事業者の姿勢を批判した。渡辺氏は現在、関西電力大飯原発の敷地内断層に関する規制委調査団のメンバーを務めている。 (安達一将)
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