[2012_10_18_01]9千年間に26回大津波 新潟・佐渡島に堆積物 柏崎刈羽原発に到達か(東奥日報2012年10月18日)
 

※以下は上記本文中から重要と思われるヶ所を抜粋し、テキスト化したものである

 新潟県・佐渡島に過去9千年間で少なくとも26回の大津波が押し寄せた可能性があることが卜部厚志新潟大准教授(地質学)の堆積物調査で17日、分かった。平均間隔は350年、津波の高さは5メートル以上と推定しており、太平洋側に比べ、調査が進んでいない日本海側の地震や津波の実態を解明する貴重な研究成果となる。
 卜部准教授は「対岸の東京電力柏崎刈羽原発周辺にも津波が到達した可能性がある」としており、東電が目指す再稼働や、沿岸の防災態勢にも影響を与えそうだ。
 日本海側は18世紀以前の文献が非常に少なく、沿岸には砂丘が発達して津波の痕跡が残りにくい。これまで津波堆積物もほとんど調査されていなかった。
 津波対策を進める新潟県の依頼で、昨年から佐渡島東岸の両津港に近い加茂湖をボーリング調査。湖底3カ所で約1万年分の地層を抜き取り、津波が運んだとみられる海砂層を26確認した。
 加茂湖は海から数百メートル内陸にあり、海との間には標高2〜3bの砂州が広がる。津波はこれを乗り越えたとみられ「津波の高さは5メートル以上、主にマグニチュード7.5以上の地震が原因だったと考えられる」と言う。
 土中の植物や貝の年代から、上位3層は佐渡島で被害の記録のある新潟地震(1964年)、庄内沖地震(1833年)、佐渡沖地震(1762年)の可能性が高いと推定。ほかは10〜11世紀、3世紀、紀元前3世紀などで、最も古い層は約8800年前だった。
 また北海道や東北で多くの津波堆積物を発見した平川一臣北海道大名誉教授(自然地理学)も今夏、佐渡島北端の大野亀を調査。海に面した高さ約5メートルの崖で、約7千年分の地層から、直径数センチ〜70センチの海石や砂が詰まった堆積物を6層見つけた。
 「加茂湖に痕跡を残した津波の中に、約千年に一度の割合で大野亀の崖を越える7〜9b以上の大津波があったのではないか。北海道南西沖地震(1993年)の奥尻島同様、島の直近で発生した海底地震が、局地的な大津波を引き起こした可能性もある」と話した。

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