[2012_09_24_01]巨大地震 関東南部 2000年間に5回 筑波大や東大などチーム調査 津波堆積物で判明(東奥日報2012年9月24日)
 関東南部周辺を震源とするマグニチュード(M)8級の巨大地震「関東地震」が約2千〜4千年前の2千年間に少なくとも5回起こっていたことを示す津波堆積物を筑波大や東大などのチームが23日までに、神奈川県の三浦半島で発見した。
 津波堆積物は、巨大地震による津波で残ることが多く新しいほど浅い。今回調査した場所では、2千年前より新しい地層はきれいに残っておらず、1923年の関東大震災以外の津波堆積物は見つからなかった。チームはさらに調査取囲を広げて過去2千年の堆積物を探し出す方針だ。
 関東地震は、相模湾から延びる相模トラフ沿いが震源。これまで200〜400年周期で起こると考えられていたが、資料は少なく、確実なのは関東大震災と元禄地震(1703年)の2回のみだった。
 チームは三浦半島の南側にある江奈湾で、干潟や湿地から地層を採取。長さ3メートル前後の柱状の地層試料に、海から運ばれて堆積したとみられる砂や珪藻の化石などを含む厚さ約5〜20センチの地層を計6層見つけた。
 一番上の層は関東大震災の津波で、残りの5層は約2千〜4千年前に起きた地震の津波で運ばれたと推定された。元禄地震の層は確認できなかった。約3千年前に積もった層は厚さが約20センチあり、大量の土砂を運ぶ津波だったとみられる。
 ほかの場所で過去に見つかった地盤隆起の跡や、地震の繰り返す性質を合わせると、関東地震は数百年おきに発生したと考えられるという。チームの千葉崇・筑波大研究員は「空白期間の一部を埋めることができた」としている。
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